三ヶ月前…
私の名前は、白石麻衣。
乃木坂大学に通っているごく普通の大学生だ。
それなりに彼氏もいたりしたが、自分から好きにな
って付き合った事は1度も無い。
いつも告白されて、相手のことも何も知らないまま
ただ何となく付き合ってみたり…
だからかな?
付き合ってる彼氏にいくら愛の言葉を囁かれても
イマイチピンとこない。
何となく付き合っているから当然長続きすることも
なく、決まって自然消滅するか私が相手に飽きて別
れを告げることが殆どなんだ……
仲のいい友達の美沙には、彼氏と別れる度に
「もっといい恋愛しなよ?」
って呆れながら言われるんだ。
『もっといい恋愛かぁ……』
私が、本気で人を好きになる日は来るんだろうか?
今日は、そんな私の不安定な気持ちを表したかのよ
うなドンヨリした空模様だった…
いつも通り、駅前からバスに乗り大学へ向かってい
く途中ふと窓の外を見ると、ポツポツと雨が降り始
めていた。
「もう雨、降り始めてきたね?」
隣に座る美沙が残念そうな顔を浮かべて言った。
『折りたたみ傘持ってきておいて良かったね』
「本当ね。でも、せっかく新しいワンピースなのにぃ(ーー;)」
『えーまた、合コン??この間も行ってなかったっけ?』
「そうなんだけどね…あんまりピンとこなくてさ」
『ふぅーん。まぁ、頑張ってよ』
「ねぇ~、麻衣も一緒に行かない??気分転換にさぁ?」
『うーん。やめとくよ。あーゆう空気どうも苦手でさぁ』
「そっかぁ。残念。じゃあ気が向いたら来てよね?」
『はいはい。気が向いたらね~。それにしても雨、酷くなって来ていない?』
「マジかぁ…。テンション下がるわぁ。」
そうしている間に、大学の最寄り駅に着いたので
美沙と二人喋りながら降り、傘を差した。
その日は、一日中雨は降ったり止んだりを繰り返していた…