こんにちは、絶學無憂です。

私の父は、戦前生まれの戦争反対主義者で、高齢でかなり体にガタが来ている今でも、「打倒！安倍晋三」という思いだけはビンビンだそうです（安倍首相こそが彼に生きるチカラを与えているのかもしれないと思うとありがたい気持ちもあります）。

「日本全体を明るく民主的な国にする」というのが目標だそうですが、そうすると彼の見方では、憲法改正を狙う安倍首相こそが悪であり敵になってしまうようで、なんとかしてやっつけたい！ということになるようです。ですが、母も姉も、そして私も、彼の長年のこの熱い想いに対して、一貫してまるっきり白けています。だからといって、家族が、戦争賛成、とか、安倍政権支持、というわけではないのですが、全然一緒に行動する気がないわけです。

この父の生き様というのが、テーマは違うものの、自分自身と重なって見えました。

私の場合は、安倍政権の動きもいろいろ気にはなっていましたが、それよりも、不治と思われたカフェイン依存症からホメオパシーで脱出した経験から、西洋医学一辺倒の世の中に対して敵意を抱いて、「不当に弾圧されている代替医療を応援せねば！」という思いがありました。ほんの半年くらい前までのことです。

内海聡医師（うつみん）の「医学不要論」の影響を受けて、同じように西洋医学に対して敵対的に捉えてしまっている人がジワジワと増えているようです。直接に何人かそういう人を知っているので、潜在的にはかなりの数に上るのではないかと思っています。

政治にしろ、医学にしろ、それぞれのテーマが大きいので思わずその中身に注意が行ってしまいますが、政治であっても、医学であっても、起こっていることは大体同じで、あるきっかけで「問題」に気づいてしまったとき、外側に見つけた強大な敵に対して、正義と悪という対立軸を作ってしまいます。

有史以来、人間がずうっとやってきたことです。

ところが、こうやって外側に悪を見つけて、あれは絶対におかしいからやっつけねばならない、と考える思考そのものが、その本人のエネルギーを乱してしまいます。

「あれ（あいつ）は絶対におかしいからやっつけねばならない！」と言いながら、左右の腕や、足を使って筋肉反射テストを行うと（筋肉反射テストのできる方は）、左右片側の力が抜けてしまっているのに気がつくはずです。たったこれだけで、体の中で左右のエネルギーのバランスが崩れてしまうことを意味します。

右半身が男性性エネルギー（左脳的）、左半身が女性性エネルギー（右脳的）を象徴しますから、これは性エネルギーのアンバランスとも言えます。体の中のエネルギーが二極に分離してしまっている状態です。私と同じように左の力が抜ける人が多いのではないでしょうか。

実際に体を使ってこのデモンストレーションを体験していただくと、自分の体がこんなにも敏感に思考に影響を受けるのかということにちょっとショックを受ける人が多いのではないでしょうか。同じ場所でこれを一緒にお教えできないのがちょっと残念ですが。

外側に敵を見つけてそれと戦おうとすると、その必然として、内側に葛藤を作ってしまうのです。心を平安に保つことができなくなるのです。

そこで、ぜひ考えてみてください。心の平安を失った人が活動して、平和をもたらす事ができるでしょうか？

ここで多くの人が失敗してしまうようです。私ももちろんその一人でした。

一度だけ父に誘われて反戦活動集会に参加したことがありますが、正直なところ、戦争反対という趣旨には賛成ですが、その集会の空気には加わりたいと思いませんでした。参加者の多くは高齢者で、30代、40代の若い人がかなり少なかったのも印象的でした。高齢者ほど戦争が身近なものだというのは当然ですが、彼らの多くは若い家族を動員することに失敗していたのではないでしょうか。集会の後の飲み会に参加して、そこで挨拶を求められて、「若い人が少ないですね」と指摘したら、皆さん一様に表情が固くなってしまいました。ちょっと大人げない発言だったかもしれませんが。

代替医療や精神世界・スピリチュアルというものも、本来は人を健康に導き、学びや成長を促すためのものであるはずですが、少し踏み外すと、そこに巨悪を見出して戦い始めてしまいます。たとえば製薬会社。医療制度。さらには陰謀論を勉強し始めてイルミナティのような秘密結社を敵として「発見」することでしょう。そして、同時に家族や親戚の間でこのテーマについて話すことが次第に難しくなることでしょう。

「日本を変えよう、世界をよくしよう」という思いで行動しているのに、足元の家族との関係がなぜか上手くいかない、家庭が波立つ、ということでもしお悩みの方がおられたら、あなたのそのご活動には外側に敵がいるかどうかを考えてみてください。

敵と戦おうとしているならば、そのときご自身が既に「殺伐とした戦いの波動」「戦いのエネルギー」を発信してしまっています。あなた自身のあり方が、平安からかけ離れてしまっています。

それはそれで貴重な体験なんですけど、やはりそこから、分離したエネルギーをもう一度統合させて、まんなかへ戻ってくるほうが幸せへの近道でしょう。

お前はなんでそんなことを語る資格があるのか、って？私はこれで家庭崩壊を引き起こしたからです。

全く余計なことだったようですが、年老いた父親にこの同じ話を伝えようとして、あまり真面目に書くと重たいから嫌かなと思って茶化し気味に書いてみたところ、「上から目線の御高説ありがとう、そのままお返しします」というお怒りの返事が返って来ました。上から見下す、というのも、上下という対立軸ですから、このとき親子の間で「見下すもの」と「見下されるもの」という極性ができてしまっていたわけです。両者の関係の中ではそのような極性（N極とS極のようなもの）ができていたわけですが、一人ひとりを別々に取り出してくると、私の中で父に対して、父の中で私に対して、それぞれ極性を作っていたはずです。

奇しくも、あり方の話をしようとした私自身が父親を見下していたんですね。こりゃあ、うまくいくわけがないです。

ですが、これで半年前の自分や、今の父に、問い聞かせるつもりでブログの文章を書けばよいのだ、という方向性が見えてきました。これはどちらにしてもとても言葉で言って聞かせて簡単に納得するような輩ではないので、ひょっとするとしばらくネタに困らないかも？という期待があります。

読んで下さってありがとうございました。

3. 正義と悪の戦い