こんにちは、絶學無憂(ぜつがく・むゆう)です。

 

あんまり細かいことは書けないのですが、一般論を書いてもつまらないので、最近仕事で経験したことをぼやかしながら、でもできるだけ詳しく書きましょう。そのほうが面白いでしょう。

 

 

私は職業的研究者なのですが、何年もの間、自分の論文の原稿が上司の机の上で止められるという事態に遭遇しました。ご存知のように、研究者という職業の業績というのはまずもって論文で評価されます。論文が出ないということはそれだけで職探しにおいてどんどん不利になることを意味します。

 

このプロジェクト自体が、私が新たにプログラミング技術を習得する必要があったため、でおそらく、まったく効率的でない方針を取ってしまったため、データの解析に膨大な時間がかかりました。

 

いや、正確に言うと、データの解析に要した時間はたぶんそれほど異常ではなく、むしろよいテンポで進みました。時間がかかったのはそのための準備です。データの形を整えるのに、一番時間がかかってしまいました。

 

それはともかく、もうただ形を仕上げるだけという状態までやっときたのに、そこで上司に何年も止められてしまったわけです。これが、他の論文が贔屓されて、後回しにされたのかというと(そういう話はまあよくあります)そうでもなく、この期間、彼はほとんど論文の仕事をしなかったので、そういう意味では「公平」でした。また、この論文が大きな問題を抱えていたから鬱陶しくて放置された、どうしようもなくて放置された、というわけでもなく、むしろ内容はかなりスッキリしていたので、仕上げは簡単な部類の論文でした。

 

 

ちょうどブレイン・アップデートのオンラインコーチング(田仲真治氏主催)を受けていたときに、もうこの問題が始まっていて、やるべき仕事をやらない上司に対して、「当然ながら」相当な怒りを当時の私は溜め込んでいました。

 

 

あるとき、バイロン・ケイティのザ・ワークという、感情解放のワークがあるのですが、これをオンラインコーチングの受講生同士で練習しましょう、ということになりました。

 

 

 

 

ザ・ワークというのは、こちらでもたびたびご紹介していますが、特別なエネルギーとか一切使わずに、単に質問に答えていくだけで、パワフルな感情解放を実現してしまう方法です。非常にシンプルな手順で、自分が握りしめている「観念」こそが感情の発生原因になっている、というのが体験によってよく理解できます。

 

そういう意味で、ココナラで、テキストチャットだけでこれを体験して習得してもらう、というサービスもやっています。ザ・ワークは、独習でもできるくらい簡単ですが、ちょっと案内がほしい、という方向けです。

 

 

 

この練習会(オンライン)のときに、私がこのザ・ワークを受ける番になったとき、当然「お題は何にしますか?」ということになりました。

 

このときはオンラインコーチングも後半だったので、すでに主だったお題は解消済みになっており、ほとんど唯一思いついたのが、この上司に対する不満です。

 

おそらく0-10のスケールで8くらいのかなり強い怒りを感じていたと思いますが、10分だかそこいらのザ・ワークで、ものの見事にこの怒りが雲散霧消してしまいました。よく効きます。

 

 

一般的な考え方としては、なにかこじれた問題があったときに、外側の問題に対して対処するよりも先に、内側の問題、つまり自分の感情の乱れを整えることを優先します。もちろん一刻を争うようなときは現場での対応を急ぎますが、内側の乱れをほったらかしにしたまま、外側の対処を続けることはできれば避けたい。

 

なぜか。これは原因と結果の関係が普通とは逆、という見方をしているからです。

 

普通は、外側で何か問題が起こった → それに対して何らかの感情的な反応をした、という原因と結果を考えます。

 

上司が仕事をせず自分のキャリアが壊されている → こんなことを許せるかームキー

 

という感じです。

 

ところが、一旦、何らかの感情を自分が有してしまっているならば、今度はそこに引き寄せの法則が働く、と私は考えます。これは、類は友を呼ぶ、という法則ですから、「こんなことは許せん」と怒っていると、「こんなことは許せん」と私を怒らせるような現象が引き寄せられてくるわけです。つまり負のスパイラルに入ってしまいます。

 

感情が原因になって、現実という結果を引き寄せるという、普通とは逆の因果関係を考えています。

 

ですので、まずは、観念を手放し、感情解放をすることで、この引き寄せの連鎖を止めるのが大事と考えます。その上で、行動すべきことをすればよい。

 

実際、家族関係や職場の人間関係はこういう順序で変化していったように思います。

 

 

この件では、「やるべきことをやらず部下のキャリアを壊すのはけしからん」と信じていたのですが、ザ・ワークの後半で、言葉遊びのように主語と述語をいろいろひっくり返すところで、「彼のほうでも、彼のポジションでやるべきことが沢山あって大変なのだ」という、上司の側の視点が、勝手にスッと受け入れられてしまい、怒りがいっぺんに抜けました。拍子抜けするほどです。

 

 

そして、怒りがこうもはっきりと消えたからには、事態は徐々に好転するのだろうと思って待ちました。もちろん定期的に、彼に「どうなった?」と聞いてプレッシャーをかけるようなことはしていましたが、あまりしつこくはやらないようにしていました。ところが、そうしているうちに、数年経ってしまったのです。

 

ありゃりゃ、これはどうしたことか。それでも、消えた怒りはまったく戻ってこない。もっとお前は怒るべきだ、脅すべきだ、怒りで脅すのが唯一有効、という声も多かったのですが、怒りがないのに、脅し目的でそれを装うのもバカバカしいと思って乗り気ではありませんでした。

 

 

 

いろいろ考えた挙げ句、これもオンラインコーチングで教わったテクニックですが、アメリカインディアンに伝わるトーキング・スティック、という風習を採用しようと思いました。

 

 

 

 

インディアンの部族で会議をするときに、特別なスティックを持っている人物ひとりだけが発言権を持ち、その他の人は、彼の話を集中して聞かねばならない、勝手に中断したり質問したりしてはいけない。スティックを持っている人物が、自分の話は他の人達にじゅうぶんに理解されたと思ったときのみ、次の人にスティックを渡す。

 

これはなにかというと、ぶつかり合って押し問答のようになるときというのは、お互いのことを主張するばかりで、相手の話を聞く気がないのが問題だというわけです。同意できるかどうかは別としても、相手の話を一旦は深く理解すること。これが疎かになっている。

 

聞くことに集中する場の中で、全員が言いたいことを述べると自然と場の空気が統合的になって、ぶつかり合いではなく、それを超えた解決案が出て来やすい、と言います。

 

私も似たような方法を自分で試した経験があり、絶対に話を聞かない相手に聞いてもらえたという驚異的な

事例がったので、これに賭けてみようと思いました。

 

 

 

意外なことに、イギリスの学校ではしばしばトーキング・スティックを紹介するらしく、知っているとか、聞いたことがある、という人が多かったです。というわけで、大きな反対意見もなく、トーキング・スティック形式のミーティングで、ついにその上司と、私同様に論文を止められている部下たちとで腹を割って話し合おうということになりました。

 

これはこの上司の側からすると、論文を放置しているという負い目があるので、こちらの要求をはねのけられなかったということもありますが、通常なかなか言わないような、単刀直入な意見や批判が部下から出たので、貴重な機会になったのではないかと思います。

 

普段のミーティングでは、しばしばこの上司が話を遮ることがあったのですが、このときはそれをしないというルールだったので、そういう意味でもかなり違う会になりました。少なくとも話は聞いてくれたわけです。

 

一方、上司の言い分としては、たくさん話してくれたものの、要約するとこれまで通り「忙しい」という一言で終わるような話でした。それだけ?というのが、どうも信じられず、腑に落ちませんでした

 

 

その後、多少、その会議を反映して上司が努力している兆候があり、やや期待しましたが、やがてまた停滞してしまったので、さらに手を打つ必要を感じました。

 

で、どうしたか、というと、これはもう捨て身に近いのですが、オンラインコーチングで習った技術の中で最強ではないかと思っている、「悪循環サイクル好循環サイクルのワーク」、つまりセラピーのセッションを提案したのです。人生を変えるという意味で、これ以上の手段はないので、これで変わらなければもうしょうがない、奥の手を出すしかない、と思いました。しかし、そんなことを言い出すと、意味不明でキチガイと思われるリスクはあります。

 

同時に、複数の相談相手から、「事態がそこまで来たら、報告すべきところへ報告するしか無いだろ」と言われ、それもそうかと思ったので、「期限を切って、もし事態が進展しないようであれば、監督機関に報告せざるを得ない」とも伝えました。

 

 

つまり、一方では、あなたの抱え込んでいる問題(論文に取りかかれない)がなんであれ、そのネガティブを見て、そのうえでポジティブを模索することでバランスが取れるはずだ、そのようなセラピーの方法をたまたま知っているので、希望すれば提供する用意がある、と伝えました。

 

もう一方では、セラピーを選ぼうが選ぶまいが、一定期間に進展が見られない場合は、上に報告すると、警告しました。脅迫とも言えます。

 

それまで、のらりくらりと先延ばしが続いていたのですが、ついにこういうのっぴきならないところまで来たわけです。

 

ただこうして警告や脅しまでやっていても、彼に対して怒りは特に無かったんですね。あん畜生、こんな目に合わせやがって!復讐してやる!というようなドラマ、半沢直樹に出てきそうな感じではなく、ドライでした。淡々と、やんなきゃいけないことならどこまででもやるさ、という感じでした。

 

感情的には困っていないんだけれども、とはいえ現実の状況には困っている、という、なんともチグハグな、そういう状況でした。

 

 

この提案に対して上司はどう答えたのか、果たしてこの論文はどうなったか?続きが気になるという人は、すかさず「いいね!」をクリックだ!

 

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