猫との縁は今に始まったことではない

たぶんずーっとずーっと昔から



私が生まれたときから

我が家には猫がいた



家に住み着いた猫 もらった猫

拾った猫 うちで生まれた猫


いろんな猫がやってきて

そして 虹の橋を渡っていった・・・





今日は「猫の恩返し」のお話。



たくさん出会った中で

強烈に印象に残っている猫は「百太郎(ももたろう)」



私が小学校2年生のとき、

生まれて初めてテストで100点をとった



そのときもらってきた猫が「百太郎」



黒と白の男らしい2枚目猫

優しい大きな目が大好きだった



いつも一緒にいた

ぬくぬくあたっかくて



「ももー」っと呼ぶと

返事をしてそばにいてくれた



しかし・・・何年か経ったある日

そのももが、突然姿を消した

しかも他の兄弟猫と一緒に

泣きながら必死に探した

でも見つからなかった

事故にあったのか

保健所に連れて行かれたのか



ずっと行方不明のままだった



それから、随分月日が流れた頃



中学3年の高校受験の合格発表の日で

同じ日に兄も大学の合格発表があった



そわそわしながら郵便屋さんを待っていたときだった



にゃおーん

猫の鳴き声がした


にゃおーん

また声がした しかも聞いたことがある声



どこどこ(-_\)(/_-)三( ゚Д゚)うそぉ!!

玄関の横の塀の上に

なんと百太郎と兄弟猫の十兵衛がいた



置物みたいに目の前に



二匹ともすっかりたくましくなって

凛々しい男猫になっていた



( ゚-゚)( ゚ロ゚)(( ロ゚)゚((( ロ)~゚ ゚



ママーママー!!

ももが!!百太郎が帰ってきた!!



百太郎と十兵衛は塀を回って、

いつものお風呂場の小窓から入ってくると

水入れの水を飲み、カリカリフードを食べた



百太郎が帰ってきた!!!

十兵衛が帰ってきた!!



嬉しくって叫びながら泣いた

ありがとうありがとう



頭をなでながらわんわん泣いた



そのときだった



郵便屋さんの自転車のブレーキの音がして

ポストまで駆け寄った



私と兄貴に郵便が2通届いた

二人とも【合格】だった



やったやったよくやった!!

家族みんなで喜んだ



Wで嬉しかった

合格もしたし猫も帰ってきた!!



興奮しながら笑いながら

ふと足元を見た



さっきまでそこにいた

百太郎がいない 十兵衛もいない



・・・嫌な予感がした



裸足で近所を探し回った

声がガラガラになるまで叫んだ



ももーーーーももーーーー

どこにいるのーーーーー!!!



やだ!!やだ!!もうお別れなんてしたくない!!

いなくなっちゃうなんて絶対に嫌だ!!



暗くなるまで探したけど

もうどこにもいなかった



消えちゃった・・・またわんわん泣いた



涙と鼻水で福笑のおかめさんみたいに

顔がぐちゃぐちゃになるくらいに泣いた



母が言った



・・・おやっとさぁ(=お疲れ様)


あの子達は猫の神さんになった


合格おめでとう・・・ありがとう・・・って言いたくて

みんなに会いにきたんだが


まっこて・・・

あいがとさげもした(=本当に・・・ありがとうございました)



そういって

食器棚のばあちゃんの白黒写真が飾ってある

小さなお仏壇に入れたてのお茶を置いて手を合わせた



不思議な猫とのエピソードはまだまだあるけれど



私にとっては猫は

「家族であって友達であって

かえがえのない唯一無二の存在。」



恩返し、私は彼らにちゃんとできているんかなぁ・・・

思い出すと泣いちゃうんだなぁ・・・