きびしい時間 | 5udaのブログ
「きびしい時間」 リルケ 藤原定訳
だれかがいま泣いている 世界のどこかで。
この世の中で理由(わけ)もなく泣いている、
わたしのことを泣いている。
だれかがいまわらっている 世界のどこかで。
この夜中に理由もなくわらっている、
わたしのことをわらっている。
だれかがいま歩いている 世界のどこかを。
この世の中を理由もなく歩いている
わたしにむかって歩いてくる。
だれかがいま死んでゆく 世界のどこかで。
この世の中で理由もなく死んでゆく、
わたしを見つめて。

少女はわたしを見つめている
理由もなくただ一点を見つめて
いや、むしろ
わたしのうしろにあった大きな世界を
見つめていただけかもしれない
2014.7.17

