民法 保証 | 資格なんて気楽に取ろうぜ

資格なんて気楽に取ろうぜ

法律の勉強歴は、29歳までまったくなし。
平成25年に行政書士試験向けの講座を受講(LEC)。
平成28年度行政書士試験で合格。
令和2年司法書士試験と英語の勉強をしている、36歳のおじさんのブログだよ。

どうも高橋です。
今回も勉強のみです。
保証はなんとなく、想像しやすい内容ではありますよね。
勉強すると、より一層、保証人にはなりたくなくなります。

間違い率
17/32

■間違えたポイント
1、保証
(1)行為能力の制限による取消債務の保証

行為能力の制限によって取り消しできる債務を保証した者は、保証契約の時においてその取消の原因を知っていたときは、主債務の不履行の場合、又は、債務の取消の場合において、これと同一の目的を有する独立の債務を負担したものと推定する。

例)
私が安部菜々(17歳)の借金の保証人になったとします。私は保証契約の時には、安部菜々が未成年者であることを知っていました。

もし、安部菜々が、未成年者であることをいいことに契約を取消したとしましょう。
通常、主債務が消えたら保証債務も消えるのですが、、、

この場合、借金は私が負担したものと推定されます。

安部菜々が借金を踏み倒そうと債務を履行しないときも同様です。この場合は、保証契約として考えれば当たり前のことのような気がします。

「行為能力の制限による取消」、「それを知って契約した保証人」、「推定」。この3つを覚えとく。

(2)主債務と保証債務の金額
保証債務は主債務より重く設定できない。
保証債務にのみ違約金、損害賠償の額を約定することはできる。

例)妻が10万円を友人から借りる時に、私が保証人として100万円保証すると言っても、保証額は10万円になります。あくまで保証額が10万円なだけで、妻の返済が遅れたことによる損害金や、違約金などあり、それが膨れ上がれば100万円を超えることもあり得ます。

また、私が友人と保証した約束を果たさない時は、違約金か損害賠償100万円ね、という約束も有効です。

(3)催告の抗弁権
破産手続開始決定または行方が知れないときは催告の抗弁権は主張できない。

例)私が父親の借金の保証人となったとき、いきなり借金取りから私に請求があったら、まずは父親に請求してくれと請求することができる。
ここで、借金取りから、「私の父親が行方不明になったからお前から取り立ててるんだよ!」と言われたら、抗弁できなくなります。父親が破産手続開始決定をされたときも同様です。

ここで注意するのは、父親が無資力であることを知っていた、とか問われた場合、催告の抗弁権は失われません。別に破産手続開始決定を受けていないからです。

(4)保証人に対する譲渡通知
保証人に対して債権譲渡の通知をしても対抗力はない。

例)妻が友人から借金をしており、私が保証人になっていたとき、友人が私に対して、別の人に借金の権利を譲ったので今後はその人に支払いしてね、という通知をしても妻と私のどちらにも権利の譲渡を対抗できない。

(5)保証と債権譲渡の第三者対抗要件
債権者は主債務者に譲渡通知をしたときは、その通知に確定日付がなくても保証人に譲渡を対抗することができる。

例)妻が友人から借金をしており、私が保証人ななっているとき、友人が安倍晋三に借金のもととなる権利を譲り渡し、妻に対してその旨を通知した。
通知には確定日付がないので第三者に対抗することはできません。

もし、友人が麻生太郎にも譲渡していて、確定日付がついた証書で妻に通知されていた場合は、安倍晋三は麻生太郎に権利主張で勝てなくなります。

しかし、保証人の私に対しては、確定日付なくても対抗できるということ。

(6)時効完成後の債務の承認
時効完成後に時効完成を知ってなされた主債務者の債務の承認は、時効の利益の放棄と考えられるので、主債務は復活するが、保証人は主債務の時効を援用できる。

例)妻が友人に借金しており、私が保証人になっているとします。
 友人はすっかり借金のことを忘れて、時間がすぎたため、時効が完成してしまいました。
 妻は、友人に対して、時効だから借金はチャラねと伝えることでチャラにできます。
 しかし、妻は時効の完成を知った上で債務の承認をしました。
 借金を一部返済したことで、妻は借金をしていたことを承認したことになり、時効はパーになります。
 妻は時効を援用できなくなりますが、保証人の私はそれに付き合う必要はなく、時効なんでチャラね、と借金を帳消しにできるということ。

時効完成を知らずに債務を承認した場合は、時効の利益の放棄とはならず、信義則に反するので援用できなくなります。

(7)保証人の求償の範囲
委託を受けている場合は、利息、遅延損害金など保証債務にかかった費用全額求償できます。
委託を受けない保証人の求償の範囲はニパターンあって、債務者の意思に反していない場合と、債務者の意思に反している場合がある。
意思に反していない場合は、債務者が保証債務履行当時に利益を受けている限度で求償できる。
意思に反している場合は、債務者が現に利益を受けている限度で求償できる。

例)
①委託を受けている場合
私が妻から頼まれて借金の保証人になったとします。妻の借金は元金100万円に利息がついて120万円になっていました。
 私は泣く泣く120万円を支払いました。その後、妻に保証したお金を求償しますが、元金利息120万円と、支払った日から求償するまでの利息10万円を合わせて130万円求償できます。

②委託を受けていない場合(意思に反してはいない)
私が妻から頼まれてもないのに借金の保証人になったとします。このとき、妻からは特に反対はされませんでした。
 妻の借金は元金100万円に利息がついて120万円に膨れ上がっていました。
 私は泣く泣く120万円を支払いました。その後、妻に保証したお金を求償しますが、支払日から求償までの利息をとることはできません。
 泣く泣く120万円を支払った当時に、妻が利益を受けている限度とは、この元金利息120万円までということ。

③ 委託を受けていない場合(意思に反している)
私が妻から頼まれてもないのに借金の保証人になったとします。このとき、保証人になることに対して妻から反対されていました。
 妻の借金は元金100万円に利息がついて120万円に膨れ上がっていました。
 私は泣く泣く120万円を支払いました。この場合も求償できるのは元金利息の120万円までです。債務者が現に利益を受けている限度になります。

 意思に反しない場合と異なるのがここからで、現存利益の確定時期が求償した時になります。

 反しない場合は、泣く泣く支払った時までの現存利益ということです。

 どういう違いがでるかというと、私が借金の支払いをした日から、求償するまでの間に、妻が借金取りに対して50万円の反対債権をもったとしたら、私が妻に求償できるのは70万円になってしまいます。

 妻は私が支払わなくても、50万円の範囲で相殺できたわけです。この50万円分は利益とはならないので、現存利益は70万円になるということです。

 50万円は私が借金取りから回収しなければなりません。

(8)事前求償権
債権者と主債務が弁済期の期日をのばした場合なんかに認められる。
委託を受けない保証人には認められない。

(9)事前通知と事後通知
①事前通知(保証人)
債権者に支払いをする際、保証人は委託の有無に関わらず、主債務者に事前に通知しなければならない。事前通知がない場合、主債務者は債権者に対抗できる事由をもって、保証人に対抗できる。

例)私が、妻の友人への借金の保証人で、妻に事前に通知せず借金を返済したとする。

実は、妻も友人に対して借金と同額のお金を貸しており、妻はその貸金と借金を相殺してチャラにする予定だった。

私が事前に妻に事前通知していれば、妻から相殺する予定だったことを聞くことができた。私は余計なことをしてしまったということ。

注意するのは、私は妻に求償することはできる。できるが、妻はそれに対抗できるという関係になる。

求償を妻に対抗されたら、私は、妻の持っていた友人に対する貸金債権で、友人に対し返済を請求することになる。

②事前通知(主債務者)
主債務者は保証人に事前通知をする必要はない。主債務者は保証人に求償することがないから。

例)私が妻の友人への借金の保証人で、妻が私に事前に通知せずに借金を返済したとする。

その後、妻が保証人の私に求償するということは有り得ないから。

保証人の二重払いの危険性は事後通知で説明する。

③事後通知(保証人)
保証人は委託の有無に関わらず事後通知をしなければならない。事後通知をしないと主債務者は二重払いの危険がある。

④事後通知(主債務者)
事後通知は主債務者もしなければならない。そうでなければ、保証人も二重払いの可能性があるから。

ただし委託を受けた保証人だけでよい。勝手に保証人になった者に対してまで通知する必要はないということ。

そもそも、勝手になられた場合、保証人の存在に気づかない可能性もある

(10)連帯債務者の負担部分
割合

割合だと負担部分を超えない額でも求償できる。

例)連帯債務60万円、負担部分が一対一の割合だと、連帯債務者が2人なら各自30万円の負担をすることになる。
 一人が10万円支払ったとすると、もう一人に対して5万円求償できる。

保証人相互間の負担部分
頭数
保証人が複数いるとき、各自30万円ずつ負担していた場合、一方の保証人が10万円弁済したところで、もう一方の保証人には求償できない。

頭数を超えて弁済した場合は求償できる。
要は負担部分の30万円を超えて40万円支払ったら、10万円求償できるということ。