中小企業の兵法(5) ~無形財産に投資をする。
こんにちは、今井です。
統帥綱領の4番目の項目です。
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統帥の本旨は、常に戦力を充実し、巧みにこれを敵軍に指向して、その実勢力特に無形的威力を最高度に発揚するにあり。
最近の物質的進歩は著大なるをもって、みだりにその威力を軽視すべからずといえども、勝敗の主因は依然として精神的要素に存すること古来変わるところなし。
まして、我が国軍にありては、過少の兵数、不測の資材をもって、特に然り。
すなわち戦闘は将兵一致、忠君の至誠、匪躬の節義を致し、その意気高揚に達して、ついに敵の敗滅の念慮を与うるにおいて、初めてその目的を達するを得べし。
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これを、現在の中小企業向けに読み替えてみました。
ビジネスでどう使うかということを主眼に置いた、意訳です。
ですので、厳密な読み替えではありませんが、そこはご容赦くださいね。
統帥を経営、兵士を従業員などに読み替えてみました。
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経営の本来の目的は、常に従業員を教育して、商品やサービスを開発・改善していくことです。
育てたせた従業員や商品・サービスを上手に組み合わせて営業活動を行います。
そうすることで、会社として収益を上げていくだけではなく、世の中や競合他社から「あの会社はすごい!」と、印象付けていきます。
最近は、ITや機械などの性能の向上はめざましいものです。
もちろん、その威力をあなどってはいけません。
しかし、「気持ち」や「モチベーション」がビジネスの勝敗を分ける大きなポイントであることは、いまの時代でも同じです。
ましてや、中小企業は人財も資金も少ないのですから、なおさら「気持ち」や「モチベーション」を大切にしなければなりません。
競合との厳しい競争を勝ち抜くためには、
(1)経営者と従業員が一心同体になり、 (2)会社に誇りを持ち、 (3)モチベーション高く持ち、 (4)競合に負けない!という意志を貫いて、はじめて勝つことができるのです。
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「常に戦力を充実」とは、人材開発や製品開発。
「無形的威力」とは、ブランディング。
「精神的要素に存すること」とはモチベーション。
と、読み替えてみましょう。
いずれも、ビジネスで競争相手に勝つために必要な要素であると読み取れそうです。
でも、考えてみてください。
教育費、研究費、広告宣伝費など、Kのつく費用は不景気になるとカットされがちです。
成果が目に見えないですし、緊急性もないので、コスト削減されがちになります。
しかし、人材開発、研究開発、ブランディング、どれをとっても、一朝一夕では出来るものではありません。長い目で見ると、これらは投資なのです。
同じように、社員のやる気も目に見えません。
しかし、やる気があれば、能力の何倍もの成果を出すことは、だれしも感覚的に分かっているはずです。
でも、モチベーションに目を配ることは、ついつい、サボりがちになってしまうものです。
ちゃんと、無形の財産に目を向けて経営をしていますか?
参考文献:「統帥綱領」大橋武夫
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「気付きのマネジメント」 ~気付きのコンサルティング会社~
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ヒューマン イノベーション株式会社 代表取締役 今井 洋一
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