中小企業の兵法(3) ~本来の目的を見失わない | 専門家と学ぶ経営支援セミナー@中目黒

中小企業の兵法(3) ~本来の目的を見失わない


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こんにちは。今井です。

中小企業の兵法の3回目ですね。



統帥綱領の2番目の項目です。
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 政略指導の主とするところは、戦争全般の遂行を容易ならしむにあり。

故に作戦はこれと緊密なる協調を保ち、殊に赫々たる戦勝により、政略の指導に威力ある支撑(支える)を得しむること肝要なり。
 然れども、作戦は本来戦争遂行のため最も重要な手段たるをもって、政略上の利便に随従することなきはもちろん、その実施にあたりては、全然独立し、拘束されることなきを要す。
 政略と作戦の関係は、最高統帥の律するところにして、その直属の高級指揮官は、よくその方針を体して事に従うべく、爾他の指揮官にありては、専念、作戦の遂行に努力すべきものとす。
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これを、現在の中小企業向けに読み替えてみました。
ビジネスでどう使うかということを主眼に置いた、意訳です。

ですので、厳密な読み替えではありませんが、そこはご容赦くださいね。



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社内の人事や予算配分、社外の業界団体や地域団体との交流は、営業活動をスムーズに行うためのものです。ですので、営業活動と社内/社外活動とを連携させることが大切です。


大口の契約が成立や、新製品の発売など営業活動の成果を、社内/社外の人に対してアピールすることは、社内/社外活動を進める上で有利に働きます。


しかし、営業活動は、お客様に満足頂く商品・サービスを提供し、利益を上げるための手段です。
ですから、社内政治や社外活動のための営業や製品開発ではいけません。


営業や製品開発は、社内政治や対外活動から独立させ、それらに振り回されることはあってはいけません。



また、社内/社外活動と営業の統括は社長が行うことであり、部下は社内政治や対外活動に、首を突っ込んだり、口出ししたりせず、担当する業務のみに集中しなければいけません。

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社内の利害関係の調整や、各種団体の活動は中小企業にとって重要なことです。

少ない人数で企業経営をしている訳ですから、職場の人間関係がこじれることや、従業員に離職されることは、経営をする上で深刻な問題になります。


また、中小企業は周囲に存在を「知ってもらう」ことがとても重要ですので、業界団体や地域団体の集まりに顔を出し情報交換することは、とても大切です。


しかし、あまりにも社内の人間関係を気にしすぎてしまうことや、対外活動ばかりに注力しすぎてしまい、気付いたら本来のお客様を見失ってしまっていたということがあってはなりませんね。




・お客様は誰か?

・お客様は何を求めているのか?

・何のための対外活動なのか?


これを忘れないようにしなければいけません。


また、人間誰しもついつい忘れてしますのですから、定期的に社内で話し合ってはいかがでしょうか?



統帥綱領は、この項目で、もう一つ大切なことを言っていますね。

直属の部下が社内政治に口出しをしたり、対外活動に首を突っ込んでくることを戒めています。


信頼できる部下に任せていたら、気付いたら権力闘争が起きていた。もしくは、一任した部下の派閥が社内を闊歩している。なんて、ありそうですよね。


部下に「権限を任せる」ということと、「権力を丸投げする」ことは違います。全社員の目が届く中小企業なのですから、手綱は社長が握っておきたいですね。



参考文献:「統帥綱領」大橋武夫


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