私の生まれ故郷は、兵庫県の北の方。








10歳の時に、両親が多額の借金を抱え、自営の工務店が倒産。


家族5人で夜逃げしました。


同居していた祖父と祖母を置いて。
飼っていた犬も置いて。


突然の別れ。

友達にさよならも言えず、「りぼん」や「なかよし」のマンガや、当時の私にとって大事なモノは何1つ持てず、着のみ着のままで。


後々、真っ先にピアノが差し押さえられたって聞いた時、仕方がないって子ども心に思ったな…。


私は帰りたくても故郷には帰れない、実家なんてない、って思っていました。

今は、そんな事はどうでもいいのだけど、死ぬまでに一度でいいから生まれ故郷に行き、もうすっかり変わってしまった風景だとしても、この目で見ておきたい気持ちがわく時がある。

生まれ故郷の風景は、色々な記憶と共に、自分の中に残ってる原風景だからかな。


シューマンの「トロイメライ」を聴いていると、ふるさとを思い出しせつない気持ち、懐かしさが込み上げる時があって。


今年の3月、ザ・シンフォニーホールで開催された牛田智大さんのリサイタルへ。


アンコールでこの曲を聴いた時、言葉にならない感動でした。