商店街の青年部長 2 | 犬は吠えるがキャラバンは進む

商店街の青年部長 2

つづき
 僕は青年部長である。・・・・が、しかしながら商店街というのは、僕の町の仮の姿
である。この町に住む人々のほとんどが、昼の姿を知らないだろう。
 数年前まで、僕はいわゆる都会の真ん中で、朝早くから夜遅くまで、とても忙し
く働いていた。昼間は何千人もの人が通る場所で店に立ち、朝と晩は雑用やその他
諸々で忙殺される。とても忙しいにもかかわらず、家に帰っても仕事をする。つま
り僕は、仕事が大好きだった。自分の意思で大学を辞めて選んだ仕事は、環境こそ
違うが自分の家業と同じ仕事だった。
 世界中のあらゆる所に、僕と同じ仕事をしている人がいる。まあしかし、今は僕
は実家で働いている。田舎の商店の一番の仕事は・・・・・・自己主張である。まあ今の
社会で一番大切な仕事も同じなんだろうなあ。商売はまず人ありきだし、人間は他
人なくして生きてゆけないから。
 まあ、それでひとつ思いついたのが青年部に「夜の」若者をスカウトすること。
自分と違う時間を過ごしてきた人と一緒に何かをするのは、とても楽しい。そして
そんなことを考えているときも・・・・・・・

                                  29/OCT/2005