　子どもの頃からの行儀悪さは、歳を重ねても直らない　　「誰が見ているわけではないのだから」と、ごろ寝をしながら本を読む。　・・・バタッ・・・　睡魔におそわれたその瞬間、本が顔に落ちてきて目が覚めることもよくある　　それで、また、続きから読み始めることもしばしばだが、栞を挟んでいないので、本の内容の復習からスタートすることもある。

　栞は、本を読むとき、手もとに用意しておくのだが、うまく使っているとは言えない　私にとっては、栞は便利な物か不便なものか

　「机の上に本を置いて読み進めていく」ということのハードルの高さをずっと感じている　　机に向かうということに緊張するのだろうか　図書館で静かに本に集中している人を見ると・・・すごい・・・と目がいく

　一冊の本に挟まれた栞。　そこから事件が起きる

　『栞と嘘の季節』（米澤　穂信）は、高校の学校図書館が舞台だ

休憩時間に学校図書館に集まるのは、図書委員と本の好きな限られた生徒たち

　誰のどの言葉が真実なのか　話は一転、二転・・・しながら進んでいく。

米澤ミステリーの空気感を纏った一冊　　学校で見せる生徒の顔とはまた違うものをそれぞれが背負ってきた。　複雑な生徒の事情も次第に明らかになっていく

　事件を解決に導く小道具もさまざま　街の通りに植えられていた水仙もその一つだった

　冬の陽だまりで水仙が咲き誇っていた　　よく通る散歩コースの「ミニ水仙郷」は、今シーズンも賑やかだ

顔面に落ちてきた物