ハウスメーカーK所長は自分と年齢が近い。自分と同じ技術畑出身で
信頼を寄せている。これはコンペの勝因の一つでもある。

最初のころは新入りだったMさんのサポートに付いてくれていたが、
「それでは仕事を覚えない」と、突き放して独り立ちさせる
教育方針をとって、表に出て来なくなった。

その後、Mさんが順調に成長する姿を見れたのは、うれしかった。
お客がやることじゃないんだけど、彼が失敗しそうなところを
補ったり、前もって指摘してあげることも、しばしばあった。

とはいえやはり経験不足は明らかで、最近は、内装仕様などで
大工さんに伝わっていない事柄がボロボロと発覚している。

工期の終盤を前にして、K所長にサポート復帰をお願いするため、
2人だけでの打ち合わせを申し入れた。

K所長はこの日の朝早く、こっそり現場を見に行ってくれたらしい。
その点では現場監督Fさんも蚊帳の外である。

明言は避けたが期日内完工は難しそうとのニュアンスである。でも
K所長に遅れ具合を把握してもらったので、自分としては安心した。
多少の遅れは許すつもりである。無理な突貫工事の方が怖いから。

若いMさんFさんには申し訳ないが、ここはベテランに
入ってもらってスケジュールを立て直す場面だ。


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