引き寄せたカラダは熱い。

雨で濡れて尚、この高い体温は俺を安心させる。


そしてそのカラダの熱さは立ち上がり始めたお互いのソコの熱と比例していくかのよう。



雅紀は無遠慮に俺のデニムのボタンを外して、ためらいもなければ、焦らすこともせず、下着に手を突っ込んで、俺のソレをでかい手で握る。




「しょーちゃん、カラダ冷えちゃったね」

「雅紀があっためてくれんだろ?」

「ふふふ、当たり前でしょ」




そんな会話をしつつも、雅紀は後ろ手に縛った俺の腕をほどく気はないらしい。そして、そんな所業に似合わないひどく甘いキスをひとつくれて、俺を握った手を優しく扱く。


次第に強弱をつけられ、快感を逃がそうにも雅紀にしがみつく事も出来ない俺が漏れる息を押し殺している様子を見て、雅紀は満足気に微笑んで手を離した。



思わず恨めしそうに彼の手を視線で追ってしまった自覚がある。

そんな俺に雅紀はやたらと優しく



「だいじょうぶだから」



と言う。





・・・ったく、なにが大丈夫なんだか。




なんて思いつつ、そんな雅紀が可愛くて仕方ない。


俺のことを愛しているのだという溢れる気持ちを隠そうともせず、そしてなぜか、俺がその雅紀の想いをまるでわかっていないと思っているのではないかというほどに、日々に、俺にわからせようとする。



それは、言葉や、カラダで。





雅紀は身動きができない俺のカラダを抱くように支えながら、ゆっくりをデニムを腰からずらしていく。必然、カラダが密着していく。冷えた肌に体温の高い触れる肌が心地いい。時に、耳を食みながら、首筋へ舌を這わせながら。




そうして気持ちよく雅紀に委ねていたが。


……どうにも雲行きが怪しい。






「おい、雅紀、俺への仕打ち、酷くねぇ?」


「そーぉ?めっちゃそそるから、これはこれでオレ的には大正解だと思うケド」

「・・・オマエの正解の基準が怖ぇよ」




俺のデニムを脱がしきらずに膝で中途半端にして。
いよいよ俺は完全に自由を失った。
しかも、下着も一緒におろしやがって。




「しょーちゃんがかわいい」

「・・・同意しかねる」

「ずっと眺めていたいけど、しょーちゃんに風邪ひかすわけにいかない」

「後者の意見には強く同意だ」

「・・・・・・」

「雅紀、何考えてる」

「んー・・・」




しかし、こうして冷静に話していることがそもそもおかしいのだ。
なんたって、雅紀はパンイチ。
俺に至っては丸出しで手足を濡れた服で拘束されている。



なんて、この状況を俯瞰して思わず笑いそうになった矢先。




「・・・このまま無抵抗なしょーちゃんを、もう無理って言うまで気持ちよくしてあげるのもいい」





非常に不穏な発言だ。