「なぁ・・・あいばくん、なんで脱がねー・・・の」
「だって脱いだらオレ、しょーちゃんに挿れたくなっちゃう」
おもわず『挿れてよ』と言いそうになった。
なって・・・
あれ、なんで俺から言わないようにしてるんだ、と、ふと遠いところで思考が動き始める。
俺から相葉くんを求めたことって、あったか?
気持ちを伝えたことって・・・。
全くないワケではない。
でなければこういう関係になってはいない。
でも。
いつも相葉くんに甘えて、与えてもらえることを当たり前に受け取るだけで・・・。
俺から言葉を、気持ちを伝える言葉を、彼が俺に与えてくれるほどに、俺から伝えられていただろうか。
言葉の力
繰り返し伝えること
その大切さをわかっていたはずなのに。
俺が彼の想いを信じるとか受け取るとか、そういうこと以前に、俺が自分の価値観だけに縛られてはいなかったか。
俺が俺をどう評価しようと、それは俺の問題。
相葉くんから見た俺の価値が揺るがないことは、明白だ。
それは、俺にとっての相葉くんが唯一であるのと同じように。
なのに。
俺は、相葉くんが何度も伝えてくれていた俺への想いを、まるで受け取っていなかった。
そう思われても無理はない。
そうして俺が受け取らなかった相葉くんの募った想いが、彼にこんなことをさせているのだ。俺を好きなだけ攻めて、泣かせて、言葉で伝わらないならカラダにとことん教え込もうと。
・・・嬉しい。
なんだ、これ。
なんだこの感情。
こんなひでぇカッコさせられて。
それで、嬉しいって。
「・・・ふふ」
思わず、笑ってしまった。
さっきまで、情けなくて泣いていた俺が、今度は笑いだしている。
「・・・どーしたの?」
「相葉くん、好きだよ」
「え?」
「ごめん、いままで・・・。俺、相葉くんがものすごく好きなのに、なんでそれを伝えてこなかったんだろうって」
「しょーちゃん・・・」
相葉くんは感情の読めない表情で固まっていた。
そりゃそうだ、まっ裸で、泣いたり笑ったり、こんな片足担がれた、とんでもないカッコで。
そうかと思えば急に愛の告白だ。
でも、いま、思ったんだ。
ちゃんと伝えたいって。
「すきだよ、相葉くん・・・だから、・・・ちゃんと愛し合おう?」