相葉くんの家は気持ちよく片付けられていて、置かれているものはマンガやよく分からないフィギュア、筋トレグッズなんかの、いかにも男の一人暮らし、という様子だった。
手洗いうがいをさせてもらって、ついでに顔を洗っていたら
「櫻井さん、シャワー浴びます?着替え、貸しますよ」
と、タオルを用意してくれながら相葉くんが聞いてくれた。
モスグリーンのふんわりと柔らかく、いい香りのタオル。
清潔で優しくて、まるで相葉くんみたいだ。
「あー・・・かなり、ありがたい、かも」
「ふふ、酔ってお風呂は危ないので。とりあえずシャワーにしときましょうね」
と、当たり前のようにタオル、スウェット、新しい下着まで準備してくれた。
「櫻井さんの着てるもの、そのまま洗濯機に入れてもらったら洗っちゃいますよ?」
もしイヤじゃなければ、と。
これは・・・またココにお邪魔する口実が、できちゃう?
とは言え、初めて一緒に飲んだその日に、そのまま家にお邪魔して、シャワー借りて洗濯頼んでって、いくらなんでも。
「ありがたすぎる、けど、さすがにそこまで甘えるのは申し訳ないから」
「気にしなくてもいいのに」
と、なんだか残念そうなキミがとても可愛い。
「気にしますよ、部下の家に誘われるがまま図々しく上がり込んじゃってるだけでも、そわそわしてんのに」
「ふふ、でも、シャワーはするんだ」
「あ、そういうこと言う!?」
ふふふ、と優しく微笑む相葉くんが綺麗だなと思う。
「ほら、早く入って、ね?待ってるから」
と、優しくなんだか甘い声で言いながら
俺の背中に手を添えて横から覗き込まれる。
やっぱり大きくて、そして熱い、相葉くんの手。
彼の体温を意識すると、さすがにマズイと理性が悟る。
「よし!ちゃちゃっと浴びて飲み直そう!」
カラダに溜まりそうな熱を振り払らうように
わざと大きな声を出して
湧き上がりそうな本能を柔らかなタオルの香りで抑え込んだ。