タイトル  廊下に植えた林檎の木
著者 残雪

~初めに~
…長文になりそうです…😅

中国のシュールリアリズム文学です。  

・阿房はよく「シュールな話」と「シュールリアリズム」は別物と書いてます。そしてシュールな物語は好きですし、よく読んでます。

シュール性はどのジャンルにも潜り込めるカジュアルな性質を持ってますが、本格的なシュールリアリズム(昨今では「マジック・リアリズム」と呼ばれるジャンル)はなかなかそうはいきません。

↑なにが言いたいかというと、シュールな物語はよく紹介してますが、シュールリアリズムは久しいですね。(シュールリアリズムな本を読んでも感想をブログに載せないこともありますから。)  

端的に言うと…シュールリアリズムに興味・耐性のない方は厳しいと思う。……本当にこの一言に限る。

えぇーと…どこから始めようか…。

まず著者の「残雪」氏ですが、ブログ休憩中に「黄泥街(こうでいがい)」という作品を読みましたが…まぁ読むのに時間がかかり苦労した。  




↑↑あまり良い印象はなかったのですが、「シュールリアリズム文学」なんだと分かりました。

…で本作ですが(ようやく始まります)
短編 
「帰り道」「黄菊の花によせる遐(※1)かな想い」 「逢引」 「汚水の上の石鹸」   
中編
「廊下に植えた林檎の木」

※1  読み方分かりますか?または漢字で変換出来ますか?…阿房はググっちゃいましたよ(笑)🤖
読みは「はるかな」漢字変換は「か」で出来ました。

短編と中編の構成となってます。

・まず初っぱなの「帰り道」が良かった    
黄泥街のイメージがあったので覚悟してましたが、非常にシュールリアリズムな物語でもモチーフが分かりやすくて…読んでて楽しかったです。  

えぇ他の作品郡の説明がねー…難しいのよ。シュールリアリズムは(笑)😅😅😅

ただね意味不明なばかりじゃないんです。もしそうなら感想は書きません。

感銘を受けたのは主に表題作の「廊下に植えた林檎の木」です。

これは…かなーり錯乱的な世界観の家・家族の話です。
登場人物 
父 母 長男 長女 叔母 医者?
↑↑これらの人物が好き勝手に、それぞれの視点で語り物語が展開?していきます。(その物語は常識から外れた形で自由自在に変形します)

・↑↑この時点でシュールリアリズム作品としては珍しいです。あくまでもシュールリアリズム的な視点は主人公のみが会得し、主人公のみが経験する作品が多い中、シュールリアリズム的な群像劇にしてるという点。

感銘を受けましたが…シュールリアリズム的な感銘なので…なんと言うか…錯綜的で幻想的ですが情報量が緻密なんです。

しかも確固たる物語の核が不鮮明で次々と姿形を変えつつもしっかりしている。
そして各々から見える世界というのが、シュールリアリズム的に自由自在で幻想的で魅力でした。圧倒されたかな。その情報量に。   

・例えば、本文から超適当に阿房が引用してみます。(阿房的な引用ですので全く正しくありません。120P辺りからの適当引用↓↓)

太陽が叫ぶ頃、廊下に畑をつくる。
薄暗い廊下の向こうからボールが転がってくる。女達が次々と部屋から顔を出し指を口に当てて「しー」と言う。
自分は目隠しをして鼠を追いかける。

↑↑みたいな世界観です。ここいらは読んでて楽しかった。

たしかに常識から外れた世界観(物語)なんだけど…もし日常(世界)をシュールリアリズム的に変換すると…こうなのかな?って感じれた作品でした。

物語や世界をシュールリアリズムというフィルターを通して分解し、幻想的で変幻自在な言語によって構成していくという感じ。なので「物語」を読むというより詩的なイメージを感受出来るかの有無になります。

ふぅー…長文になったー。こういうの書くと疲れるわー(笑)😅😅😅

シュールリアリズムを読みたいと思うならチャレンジしてみても良いと思いますが…大勢の方が好むような作品ではないと思いますので…くれぐれも…逆ギレしないように…。

あまり読みやすくもないですから…そもそも…「物語」なのかどうかも不鮮明な作品もあります(笑)🤖
…でも別にシュールリアリズムを読まなくても死にませんしね。大丈夫です。無理に読まなくても…(笑)

以上です。最後まで読んでいただいてありがとうございます。