タイトル ウサギ料理は殺しの味
著者 ピエール・シニアック
・最近短編集が続いていたので長編が読みたくなりました。(しかしAmazonの欲しい物リストに入っている本のほとんどは短編集な阿房です)
~超雑なあらすじ~
雇われ私立探偵の主人公は目的地へと向かう途中で車が故障し、近くの町に留まらざるえなくなった。しかしその町のレストランでウサギ料理が出てくる度に殺人が起こっていた。
普段から推理小説を読んでいて、定番から少し外れた物を読みたい方向けの物語。
・トリックうんぬんの推理小説ではなく、物語として読むタイプの小説。
・フランスの田舎の一見ありふれた日常の背後には、ブラックジョークが効いている町の仕組みが…。
・↑↑ブラックジョークと書きましたが、決して笑い転げるようなものではないです。
・特筆すべきは…後半ですね。本腰の殺人が終わった後の、その後の町の話が面白かったです。むしろその後に怖い展開が待ってました。
↑↑意外な展開でした。
・町の仕組みを、町の住人の心理的な仕組みを俯瞰して描くことに成功してる作品。
狭い町のとある人々の些細な心理的なきっかけで均等が崩れた時に…。
・本文内に「町全体を精神病棟に移すわけにはいかない」という表現が用いられています。
・わりと変わり種の物語でした。良かったらどーぞー。
次回の四日後の本の記事は「流刑の神々・精霊物語」岩波文庫です。
以上です。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
