花火大会1週間前



今日は珍しくお母さんが仕事休みで家に居る


「和君、今日のお昼何食べたい?」


「ん〜、何でもいいけど…しいて言うなら…チャーハンかな…」


「チャーハンね♪任せて」


「あ~…今日さ、潤君と夏休みの宿題終わらせようと思って部屋で一緒に勉強するから…潤君の分もお昼いい?」


「勿論!潤君と会うのも久しぶりね♪子供の頃からイケメンだったけど今はもっと爆イケなんでしょうね〜♬楽しみだわ♪」


お母さんのミーハーは昔から(笑)


「相変わらずイケメン好きだね(笑)」


「ふふっ♡でも1番は和君よ♡」


「…ありがとう…(笑)」



何か久しぶりに親子の会話した感じ




ピンポ〜ン♬




「あ…潤君来た♪」




リビングから玄関に急ぎ扉を開ける




「おはよう♪和」


「おはよう潤君」


「潤君いらっしゃい♪」


「あ、お久しぶりです!お邪魔します」


「潤君!俺の部屋でいいよね?行こう」


潤君の背中を押して階段を上る



「今日のお昼は和君のリクエストでチャーハンだからね〜♪具沢山の美味しいチャーハン作るから期待してね〜♡」



パタンッ!


部屋に入り扉を閉める



「ふははっ!和のお母さん相変わらずだな(笑)」


「まったく…恥ずかしい…」


「昔、アイドルの追っかけやってたんだよな?今でも現役でいけんじゃねぇ?(笑)」


「もう…やめてよ…人の親だと思って…」


「いいじゃん♪いつまでも若い秘訣かもよ♪」


「……もうお母さんの話はいいから勉強始めよう…今からやればお昼には終わる量だよね?」


「まぁな…俺はあと古文だけ…和は?」


「俺は歴史…」


「じゃあ、ちゃっちゃっと終わらせますか!」


「うん!」



カチカチカチカチ…


カリカリ…


ペラペラ…



カチカチカチカチ…







「ふはぁ〜!終わった…」


「俺も…」


「これで、残りの夏休みは遊びまくれる♪」


「ふふっ♪…まぁ…あと2週間くらいしか残ってないけどね(笑)」


「2週間あれば十分だよ♪はぁ〜…自由って幸せ♡」


「ふふっ…」



「和君っ!潤君っ!お昼できたから下りてらっしゃ〜い♡」



階段下からお母さんに呼ばれる


『は~い!』


「俺、腹ペコペコ…」


「お母さんのチャーハンは絶品だから沢山食べてって♪」






俺達はリビングに下りお母さんと3人でお昼ご飯を食べた





『ごちそう様でした♪』


「んふふっ♪お粗末様でした♡」


お母さんが席を立とうとしたからお母さんの分のお皿を持ち制する


「俺が洗うから久しぶりに潤君とお喋りしてていいよ♪」


「あら、ありがとう♪」


お盆に3人分の洗い物を乗せ台所に行く



「ねぇ?潤君と同じ学校に行かせたけど…和君楽しくやれてる?」


「クラスが別なのでクラスの事は良くわからないですけど…委員会や係りは楽しく参加してるみたいですし、委員会の先輩とも仲良くなったようで…それなりに楽しくやってますよ♪」


カチャカチャ…



「そう…それなら良かった…勉強にもついていけてるかしら?」


「それは問題ないです!」


「ふふっ…無理にスパルタしなくても和君は大丈夫だったのね…」



カチャカチャ…



「…親としては少しでもいい学校にって思うのかもしれないですけど、どんなにいい学校行っても道を踏み外す人もいますから…」


「そうよね…これからは和君の人生だもの…和君のやりたいようにさせて行くわ…」


「……」


「…そういえば…夏祭りに友達と行くって言ってたんだけど…夏祭りに一緒に行ったのもその…先輩?」


シャーシャー…



「あ~…はい。和の委員会の先輩と和の係と連携してる図書委員の先輩、俺の委員会の先輩と一緒に行きました」


「そう…外で遊ぶ仲間ができたなら…安心したわ…潤君と一緒の学校に行かせて本当に良かった…これからも和君を宜しくね」


カチャカチャ…



「こちらこそです♪実は来週末に花火大会があるんですけど…」


「また皆で行くのね♪」


「…え…あ…まぁ…」


キュッ!


手を拭いて2人の傍に向かうとラインが来た




【夏休み如何がお過ごしですか?俺は臨海学校から帰って来てから夏休みの宿題とにらめっこの日々です】


……暑中見舞?ってくらい硬い文面に思わず笑いそうになる


【毎日暑いですね(笑)今、潤君と夏休みの宿題終わらせたところです♪】


【流石だね。花火大会の日なんだけどさ…せっかくだし…浴衣で行かない?】


【浴衣?】


浴衣なんてあったかな?


【夏の風物詩を夏ならではのいでたちで見たいな〜って…】


【ちょっと待ってくださいね…浴衣…あったか母に聞いてみます】


【うん…】



確か…最後に浴衣を着たのも小学生の時だったような…




「あ…お皿洗いありがとう和君♡」


「どうかしたの?」


「あ~……先輩からラインでさ…花火大会浴衣で行かない?って言われたんだけど…俺の浴衣って…ある?」


「和君の浴衣は小学生の時のしかないわね〜…でもお父さんの使ってない浴衣が何着かあるから…和君に合いそうな柄の浴衣を和君の丈に合わせてあげる♪」


「…できるの?」


半信半疑でお母さんを見れば


「できるわよ!それくらい…お母さんこう見えてお裁縫は得意なんだから!」


ちょっとキレられた(笑)



とりあえず浴衣は確保できそう


櫻井先輩にラインする



【あ…勉強中すみません…さっきの浴衣の件大丈夫そうです】


【良かった♪じゃあ、花火大会の日は浴衣で……早く和君に会いたいな…】


【花火大会…楽しみにしてます】


【俺も♡前日に待ち合わ場所と時間決めようね♡】


【はい…じゃあ…花火大会の日に…】


突如現れた♡マークに気恥ずかしさを感じる



スマホをしまい顔を上げれば


「和…楽しそうだな(笑)」



俺を茶化し潤君がいたずらっぽく笑っていた