かっさんの自己中エッセイ520
集落で唯一、祝祭日に日の丸を掲げる家庭がある。前自治会長のNさんである。Nさんは自衛隊の幹部だったからそのあまりにも日本的な思想は筋金入りなのかもしれない。そのNさんが私に会長職を譲りたくなかったのは、「お前は共産党だから」だった。しかし、その私より左(?)に走ったのがNさんである。私たちは何よりも民主的な合意を大事にする。Nさんがやってきたことに間違はなかった。ただそれが、神社に一括お金を収めることにしても、一方的に主張をまくしたてたから正しいことも正しいとならなかった。共産党は自衛隊にしろ現憲法下の天皇制にしろひとつの理にかなった考えを持っている。しかしそれをなし遂げるためには国民の民主度が熟し、合意ができるまで待つことになっていて、ことを性急には運ばない。そのことは私が共産党で学んだことだった。若いころの私は違っていた。正しいと思うことはだれが何と言おうと正しいと突っ走った。そのことが、私が初任地を離れる際、PTA主催の送別会が行われなかった理由ともなった。私の正しさは石を持て追われたのである。さて、今回の自治会長の件であるが、やんわりのんびり行こうと思う。私がひとしきりあれやこれやと騒いだとき、貞子さんが言い放ったものだ。「お父さん、なんかお父さんがNさんに思えてきた」と。Nさんには多くの援助を受け、学ぶことも多かったからこそ、焦らずに行こう。道は長くて遠いのだ。