勧酒 于武陵(井伏鱒二訳)さよならだけが人生だ
この杯を受けてくれ
どうぞなみなみ注がしておくれ
花に嵐のたとえもあるぞ
さよならだけが人生だ
井伏鱒二 | 厄除け詩集 |
井伏鱒二の訳詩で有名な唐(618-907)の于武陵[うぶりょう](810-?) が作った「勧酒」と題する五言絶句
勧君金屈卮
満酌不須辞
花発多風雨
人生足別離
- 五言絶句。巵・辭・離(平声支韻)。
- 勧酒 … この詩は、『全唐詩』巻595、于武陵の詩として収録されているほか、巻600、武瓘の詩としても収録されている。字句に異同はない。
- 于武陵 … 810~?。晩唐の詩人。杜曲(陝西省)の人。名は鄴。武陵は字。進士となったが、書物と琴を携えて各地を放浪。のち、嵩山の南に隠棲した。『于武陵集』一巻がある。ウィキペディア【于武陵】参照。
★ 寺山修司 “さよならだけが 人生ならば”
寺山修司は、この井伏鱒二の 「サヨナラだけが人生だ」 を受けて、
“さよならだけが人生ならば また来る春は何でしょう” で始まり、 “さよならだけが人生ならば
人生なんか いりません” で終わる詩「幸福が遠すぎたら」 を発表した。
「人生処方詩集」(1993:立風書房)、「寺山修司詩集」(2003:ハルキ文庫)などに
収められているが、ネット上の話題としても取り上げられている。
さよならだけが人生だ [伊東歌詞太郎x天月] (合わせ)
https://ncode.syosetu.com/n2651dq/
〔例に依って絵は適当〕