【10~12月期GDPを下方修正 実質年率を1・5%増に、設備投資がマイナスに】
http://www.sankei.com/economy/news/150309/ecn1503090009-n1.html


 内閣府が9日発表した平成26年10~12月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)の改定値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0・4%増、このペースが1年間続くと仮定した年率換算で1・5%増となった。先月発表された速報値の前期比0・6%増、年率2・2%増から0・7ポイント下方修正した。


 速報値の発表後に公表された10~12月期の法人企業統計調査などの結果を反映した。


 個人消費は上方修正となったが、設備投資が下方修正された。在庫の取り崩しが進み、在庫投資のGDPへの寄与度がプラスからマイナスに転じたことが大きく影響した。


 設備投資は、速報値の前期比0・1%増から改定値では0・1%減となった。幅広い業種で企業が設備投資になお慎重な状況が浮き彫りになった。


 在庫投資は、寄与度が前期比0・2%増から0・2%減に下方修正。内閣府によると自動車や衣料品などの流通段階の在庫調整が進んだことが主な要因。その結果、個人消費は前期比0・3%増から0・5%増に上方修正された。


 公共投資は速報値の0・6%増から0・8%増へと上方方修正。輸出も前期比2・7%増から2・8%増に上方修正された。住宅投資は前期比1・2%減で変らなかった。


 景気実感に近いとされる名目GDPは前期比1・0%増(速報値は1・1%増)、年率換算で3・9%増(同4・5%増)に下方修正された。


(2015.3.9 08:57)


 やれやれ、またこのパターンか、と言わざるを得ません。


 前回の速報値発表では、辛うじて2014年はプラス成長だった、ということになりましたが、結局今回の発表ではマイナス成長だったという事になりました。


 確定値が出るまではある程度数字をいじってもいいんだからこういう数字を出せ、と政治側が内閣府に注文を出しているような気がしてなりません。


 最初に発表する数字が一番インパクトがあるので、そこで2014年はマイナス成長に転落しました、とニュースで大きく報じられるとまずい、だから、わずかでもプラスだったことにしてくれ、ということだったのではないでしょうか。


 それにしても大きなマイナスが続いた後にもかかわらずこんなに弱いプラスでは、景気が回復基調にあるなどとはとても言えないですね。


 1~3月期がまたマイナスになるのではないかという懸念すらあります。


 もし、1~3月期がマイナスになれば、もはや言い訳出来ない状態になるでしょう。


 メディアは一斉に「アベノミクス失敗」と騒ぎ始めるでしょう。


 なんせ、過去の例から見ると、消費増税の悪影響は2年目以降の方が大きくなっています。


 安倍政権発足以降、メディアが一斉に安倍叩きに走った事例として、特定秘密保護法、集団的自衛権行使容認がありますが、これについては国民に大して響かず、支持率を下げるに至りませんでしたが、景気の悪化はかなり響くと思われます。


 そうなると、閣僚のちょっとした金銭スキャンダルもかなりのダメージを与えるでしょう。


 第一次安倍政権でも、年金問題で政権が弱っているときに一気に閣僚のスキャンダルが噴出し、参院選で大敗、体調も壊して政権崩壊に追い込まれました。


 ちなみに、その参院選直前、野党に国会質問の機会を与えるとまずいということで予算委員会を開かなかったりして逃げを打った事もありました(そのことで成立をあきらめるに至った法律の1つにホワイトカラーエグゼンプションがありました)。私はなんと姑息なことをする政権か、と思ったものです。


 今回のGDPの数値の発表の仕方にもそうした姑息さが感じられて嫌ですね。


 また中川郁子氏の辞めさせ方もいきなり更迭ではなく、病院に入れて、日をおいて交代させるやり方もなるべく波風が立たないように、という狙いが見え見えです。菅か世耕の入れ知恵でしょう。


 安倍氏は前回の失敗の経験を今回に生かしているつもりでしょうが、国民にもだんだん見透かされて行くことと思われます。


 安倍氏がこのまま行けばどんどんジリ貧になっていく事は確実でしょう。


 それを防ぐには、麻生、甘利、竹中らを切り、藤井聡氏を重用し、国土強靱化で第2の矢を思いっきり放つことです。


 まあしかし、それをやらない可能性は高いでしょう。来年夏の参院選の大敗が現実味を帯びてきました。いや、その前に農協いじめの影響で統一地方選の敗北の可能性もあります。


 移民、残業代ゼロ、TPP等の愚劣な政策を止めさせるにはその方がいいかもしれません。