こんばんは。
宇宙屋本舗の犬神まみやです。
まだまだヒソヒソ続いておりますよ ♡
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それでは本日も不思議な世界へご案内いたします。
【カミカクシノクニ 003】
ただの迷子じゃない、ってことは最初から気づいてた。
違う場所に来てしまったってことも。
僕にとって運がよかったのは、白い狐に声をかけてもらったこと。
ここではぐれでもしたら・・・もう、どうにもならないだろう。
カランコロン。
ゆっくりは歩いてくれてるけど、僕は追いつくのがやっと。
置いて行かれそうで・・・不安で狐の袂を掴んだ。
ん?って顔で僕を見下ろす。
「なんだ?」
袂を掴んだのと反対の手が動いて・・もしかして怒られる??
肩をすくめた。
狐の手は僕の額に張り付いた髪を柔らかく掻きあげた。
「あ?悪い、ちょっと速かったか?
こんな顔真っ赤にして・・汗すげーなぁ。
コドモはちょっとのことで汗かくんだな・・・」
懐から出した手拭いで、僕の汗を拭ってくれた。
「そんな怖がんなくても、取って食いやしねえよ。」
困った顔で笑った。
「あ?お前さんにちょうどいいのが、一人いるわ。
ちょいと探してみるか・・・」
天を仰いで、腕を組んで顎に手を擦り付けるようにしながら、独り言言ってる。
袂から自分の手に僕の手を移させた。
狐の手・・爪が痛そう・・って思ってたけど・・そんなことなかった。
手のひらの厚い人みたいに・・ふわふわしてる。
僕の手をすっぽりと包むように握って、さっきよりゆっくりと歩き始めた。
誰かを探してるのか・・・キョロキョロと路地を覗き込みながら歩く。
お店の人に“そう 見なかったかい?”って尋ねてる。
探してるのは・・・“そう”って人??
その人は・・・やっぱり狐・・・なのかなぁ?
「あの・・・どんな人、探してるんですか?
僕も一緒に探しましょうか?」
「あーんーっと・・・探してもらうにも・・・
今、どんな見かけなんだか・・ちょっと分かんねえんだよ。」
???
わけが分からないけど・・
きっと、ここはわけの分からないことだらけなんだろう。
「そう のこと、探してるんですって?
さっき、広場に向かっていきましたよ。
やっと、その気になったんじゃないですか?」
出会いざまに狐に声を掛けたのは・・・狼??
僕は狐の後ろに隠れた。
「まーた変なの連れてますね・・・師匠もお好きですねぇ・・」
狼が馴れ馴れしく狐に話しかけた。
肩に置かれようとした、その手を狐はぺしっと払いのけた。
「あいかわらず・・つれないですねぇ。」
隙を突いて肩に触れた狼の手を見送るようして。
ひらひらと揺れるその掌。
狐は遠ざかっていく背中を目で追っていた。
「まったくアイツは・・・」
って、言った狐の顔はそんな嫌がってる感じでもなかった。
「ま・・そう の居場所の見当はついたし・・・行くか!」
しばらく歩くと、遠くに朱塗りの鳥居が見える。
僕がいつも遊び場にしてる神社のとは比べ物にならないくらい・・立派。
初詣に行く、大きい神社のみたい。
よっぽど大きいのか、歩いてもなかなか近づく感じがしない。
狐は顔が広いのか・・・すれ違う相手と軽く言葉を交わしながら鳥居に向かう。
しばらく歩いた後、狐が僕に尋ねた。
「紅・・・お前さん・・なんか、家に帰りたくない理由でもあんのかい?」
帰りたくない理由?
突然、そんなこと聞かれても・・・
「特に・・帰りたくない理由なんて・・ない。」
「ふーん。そうかい。ここに来ちゃうヤツってのはよう。
たいてい、そんな理由の一つや二つあるもんだからさ。
変なこと、聞いちまったな」
「ううん・・別に・・・ただ・・・」
「ん?」
「家に帰りたい理由もないよ。
どうせ、帰ってもおとうさんもおかあさんもいないだろうし。
いつも仕事で帰ってくるのは、僕が寝てからだから。
帰っても、一人だし。」
「ふーん・・・そうかい。」
今まで話した大人たちとは違う。
狐は僕の話を聞いて、肯定も否定も同情もしなかった。
それが、なんだか・・嬉しかった。
またつないだ手を今度は僕からキュっと握った。
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