そんなある記念日の日。
今日は勇輝が美紀の家にやってきた。
そして、勇輝は入ってくるなり美紀の部屋を見て少し怒っている様子だった。
「なぁ、俺が来るって分かってて部屋の掃除もご飯もないの?ってか、まだ寝てたのか」
「はぅ~。おはよー」
「おはよーじゃないんだよ、美紀。彼女としてこれでいいのか?ってか、彼氏来るって前日から分かってて普通寝てるかな?」
「ご、ごめんなさい。」
「なぁ、寝起きにこう言うのもなんだけど、俺のこと好き?一緒にいたいと思ってる?」
「そりゃぁ、思ってるよ。あたりまえじゃん。」
「でも、その気持ちが行動で示されてないと思うのは俺だけ?」
「ごめんなさい。疲れてて…って言っても言いわけだよね…」
部屋には沈黙と重い空気が張り詰められていた。
美紀は勇輝の気持ちを聞いて何にも答えることが出来なかった。
実際、美紀自身、勇輝に甘えていることを自覚しているようだ。
勇輝はため息をついて美紀のそばに寄った。
「俺さ、美紀のこと好きだよ?だから心配もするし、
でも彼氏としてもちゃんと見てほしいんだ。まぁ、俺のわがままなんだけど…」
勇輝はそっと美紀に話かけ始めた。
「それに、ホントは悠さんと仕事もしてほしくない。
でも、美紀の夢の為に俺我慢するし、美紀のこと信じてるから…。
だから、俺のこともっともっと好きになって?そんで俺だけの物になってよ」
「ほえ?私は勇輝の物だよ?こんなに思ってくれる彼氏いないし、
それにこんなに優しい人もそうそういないのも知ってる。
私、勇輝に甘えすぎだよね?勇輝がいてくれるのが当たり前に思えてきて…。
これからもっとしっかりするから…。
でも、彼女として甘えたい所は甘えてもいいでしょ?」
「…いーよ」
美紀は笑顔で隣にいる勇輝の顔を覗き込むと、勇輝は照れながら返事をした。
美紀は愛おしい勇輝の姿を見て後ろから抱きついた。
勇輝は美紀に抱きつかれ、しばらくその態勢のままでいたが、
何分かしてすぐ美紀の方を向いた。
「なぁ、これからつきあう上で言いたいことあるんだけどさ…」
「ん?なに?」
「これからは俺と結婚を前提としてつきあってください」
美紀は勇輝の言葉に驚いて、ただ目を開けたままだ。
そして、美紀ははっとして、口を手で覆った時、ひとすじの涙が目から流れ落ちた。