年齢を問わず、生涯にわたって罹患するもの、軽いかぜ様症状から重症な細気管支炎や肺炎などの下気道疾患に至るまで様々な症状。
特に、乳幼児期において重要な疾患で、初感染の1/3が下気道疾患を起こすことが報告され、1歳以下では中耳炎の合併がよくみられます。乳児の約70%が1歳までに罹患し、3歳までにすべての小児が抗体を獲得するといわれています
小さなこどもでは、まず、鼻水から始まります。そして、38-39度の発熱と咳が続きます。初めてかかった場合には、25-40%の乳幼児で細気管支炎・肺炎の徴候が見られ、呼吸困難等のために0.5-2%で入院が必要となります。大部分のこどもたちは、8-15日で軽快します。RSウイルスによる気道の感染症のために入院を要するこどもの大部分は、6か月以下の赤ちゃんです
少ないですが、死亡例もあります。RSウイルスによる気道の感染症には、生涯の間に何度もかかりますが、普通のカゼあるいは、ひどいカゼのような症状の場合が多いです。しかしながら、ひどい下気道炎となることもあり、老人や心臓・肺の病気を持っている人、免疫力が弱まっている人では、より注意が必要です。
RSウイルスによる気道の感染症の潜伏期は5日程度です。しばしば、感染したこどもは、症状が現れる前にも、周囲の人たちを感染させる力があります。また、感染した小さなこどもは、症状が消えてからも、1-3週間は周囲の人たちを感染させる力があります。
予防接種(ワクチン)は、現在、研究開発の途上にあります。サルを含む動物や、成人の志願者を対象にして、試験的に用いられている弱毒の生ワクチン候補の株もありますが、まだ、実用化されていません。
なお、予防接種(ワクチン)ではありませんが、抗RSウイルスヒト化モノクローナル抗体のパリビズマブ(遺伝子組み換え)という注射薬が、アメリカ合衆国では1998年から、日本では2002年から、承認・市販されています(商品名:シナジス)。RSウイルス感染による重篤な下気道疾患の発症抑制のために用いられることがあります。用法としては、RSウイルス流行期を通して月1回のペースで筋肉注射します。なお、2005年10月に効能・効果が追加され、24ヶ月齢以下の血行動態に異常のある先天性心疾患(CHD)の新生児・乳児・幼児に対しても、RSウイルス感染による重篤な下気道疾患の発症抑制のために用いられるようになりました