初盆といわれるけど
お父さんの骨はずっと家にいる。
親戚付き合いもない。私は一人っ子
お父さんは、ずっとここにいると思う
お線香を上げて、話しかける。
写真を見て、少し辛くなる。
でも、日常を生きていかなきゃ行けない
いつも、スーパーで、ジムで、すれ違う人で、
白髪で小柄な人を見る度に
グッとなって、…見ないふりをする。
お父さんみたいな人がいつもいる。
目に入ってくる。
でも、お父さんじゃない。
お父さんは…もうこの世界のどこにもいない。
こう思うと、いつも怖くなって
逃げたくなって、もう嫌になって。
だけど、お母さんがいる。
見捨てる訳には行かない。私が…
私が……
どうせみんな死ぬのに…
私はまだ生きてる。お母さんも生きてる。
どうにかしていかないといけない。
私が。
連休中、
これを見て、
次に会ったらこれを見せようと思ってた
「笑うことが大事!」っていつも言ってたから
きっと本気で、
「笑うこと、寝ること、食べることが大事」
って思ってる人だから。
それは分かってる。
でも、そんなこと……できない
頑張らないとできない…
それを誤魔化して、
どうにか堪えてる。
あの人が濃厚接触者になったって。
明日から休みって、
メールきて。
私は休憩中に一気にグラグラして………
間に返したメールは削除。
パニくって……
「あえないってこと?電話できないってこと?声聞けないってこと?」
そんな感じの返事を返してる
あの人が仕事を何日休むかとかより
家から出られない、っていうことで
「声が聞けないってこと?」「あえないってこと?」
が1番だし、
落ち着いてもそれが1番。
グラグラグラグラ、言いようのない……
崩れる感じ。
これでもずっと我慢してる
これまでずっと我慢し続けてる
それすらも出来なくなるってなった時
自分をかろうじて支えてくれてる
自分でも分からない、支え、拠り所
自分の中では
我慢して我慢して、本当にささやかなこと。
それすらも奪われる…って
余裕のないメールをしたから
濁点も句読点も絵文字もない
“ あえないってこと?声聞けないってこと?メールしなきゃ良かった。ごめんなさいごめんなさい”みたいな。
それ見て、きた返事がさいごのやつ
自分はギリギリのところで
いつも生きてる。
生きてるのは全く楽しくないし
どうせ死ぬのに…生きてる。
だから
最後には、絶対に潰してやると、思ってる
それだけは変わらない。
手に入らないんだから、変わらない。
元通りにだけは絶対にさせない…
その時はもう、どうでもいい。