ヴゥーヴゥー・・・
胸元でケータイのバイブが震えた
開いてみると彼女から1通のメールが届いていた。
そのメールには2人でよく行ったあの公園に来て欲しいとつづられていた・・・
僕は急いで公園へと向かった
公園にたどり着くとキミは噴水の前でひとり佇んでいた。
僕は彼女に駆け寄り
「おまたせー!どうしたの?」
僕の声に振り返った彼女の目にはうっすら涙が滲んでいた・・・そんなキミの姿を見た僕に追い打ちをかけるかのように唐突に彼女はこういった・・・
「ごめんなさい!・・・私と別れてほしいの・・・
・・・
・・・
お願い・・・
・・・
・・・
サヨナラ・・・」
突然別れを告げられた・・・
僕はいきなりの事に頭が真っ白になってしまった・・・
彼女はその一言だけを言い残し僕の前から去っていった・・・
ひとり取り残された僕は目の前で起きた出来事に混乱し、動揺を隠せないでいる・・・
僕は必死に、ココロに・・・頭に・・・冷静を言い聞かせた・・・
でも、そんなものは虚しくも跳ね返されてしまう・・・
僕は呆然とその場に立ち尽くした・・・
・・・
あれから何時間経ったのだろうか・・・
気づいた時には辺りはすっかり暗くなっていた・・・
まるで鉛のように重い体を引きずりながらも
僕は家路についた・・・
そして・・・
僕は意を決して彼女に電話をかけた・・・
キミは電話に出てくれないかもしれない・・・
そう思っていたけど
鳴り響いてるコールが途切れ通話がはじまった。
「あっ・・・あの・・・」
しかし・・・怖くて話を切り出す事なんてできなかった・・・
僕はその間(ま)を繋ぐように他愛のない話をはじめた・・・
「ねぇ、キミは覚えている?
あの夏の日の事を・・・」
「去年の夏、由比ヶ浜の海岸に行ったよね!
キミはまるで子どもみたいに波打ち際ではしゃいで無邪気に笑ってたよね!今でもその笑顔は僕の心に焼き付いてるよ。そして夜には2人で花火をみたよね・・・」
彼女はそんな僕の話を言葉を発することなく聞いていた
僕は・・・【この電話を切ってしまったら
本当に恋人でいられなくなってしまう・・・!】
そう思い、何とか電話を切らないようにと必死に話を続けた・・・
「それからさ・・・」
話し始めてしばらくすると
僕の言葉を彼女の一言が遮った・・・
「お願い・・・もうやめて!
・・・
ごめんなさい・・・もう無理なの・・・」
その言葉はまるで冷たい氷でてきた矢だった・・・
もう、キミと一緒に未来を歩むことができないことを思い知らすかのように僕の心に突き刺さった・・・
僕は思わず言葉に詰まってしまった・・・
それでも僕は精一杯言葉を振り絞った
そして最後に
震える声を隠しながら「またね・・・」と
叶うはずのない約束を口にした・・・
電話が切れた後・・・
僕の頭の中に巡ったのはキミとの思い出ばかり・・・
【キミは僕の初恋だった・・・だから・・・
人を好きになる事も、愛する事も、愛される事も全てキミで覚えたんだよ・・・
キミの歩く速さも、肌のぬくもりも、香りも・・・
今でも僕にしみついてるよ・・・】
そんなやさしい思い出は非情にも僕のココロを締め付けてくる・・・苦しいはずなのにその痛みさえも手放すことができないでいた・・・
どんなに忘れようとしても忘れられない・・・
今はもう・・・あの日みたいには笑えない・・・
ただ時間だけが過ぎていく・・・
【僕は間違えてしまったんだね・・・
大切なものを包み込む強さを・・・
だから壊してしまったんだね・・・
キミといる毎日が楽しくて・・・笑顔で満ちていたから・・・幸せだと思ったけど・・・
でも、キミはそうじゃなかったんだね・・・
その笑顔の奥でツラい思いを
していたんだね・・・
それなのに気づくことができなかったなんて・・・
僕はバカだね・・・
勝手に守ってるつもりでいたんだから・・・
ごめんね・・・
キミの安らげる場所になれなくて・・・
・・・・・・・・キミにはもう別の居場所があるんだね・・・
・・・
・・・
今の僕にはもう・・・キミの幸せを願うことしかできないよ・・・
だけど僕はキミ以外愛せそうにないよ・・・
決してキミには言わないけどこの思いだけは
消せないや・・・
サヨナラ・・・僕の初恋
サヨナラ・・・
キミだけを愛してるよ・・・】
こうして僕の初恋は終わりを迎えた・・・
「」→セリフ
【】→心の声
カッコなし→モノローグ