1.
 あの日、貴方は突然、私の胸の中に隠れていた鐘に結ばれた私の紐を引っ張った
 私の胸の中の鐘から打ち鳴らされた鐘の音は、私の体中に張り巡らされた血管の中を、熱く燃え滾るように流れていった
 
貴方は一週間だけの同級生
貴方は一週間だけど同級生
 
初めて逢った貴方はちょっとはにかみながら笑窪で自己紹介
先生は私の隣に座るように言い、クラス委員の私に面倒見てと
 
私の頬が僅かに赤く薔薇のように染まったのを感じた
眩しく光の中で輝く貴方に、私の心臓が破裂しそう
 
貴方に見えるよう教科書を貴方の前で拡げる私の白い手が、小刻みに震えているの 貴方に分からないように
もう何だか分からない教科書の文字
 
貴方は私にそっと透き通るような声で放課後一緒に帰ろうと耳打ち
私はちょっと吃驚して、黙ったまま貴方の瞳を見つめながら、思わず顔を縦に2回お辞儀
 
2.
 あの日、貴方は突然、私の胸の中の紐を引っ張ったまま
 あの日、貴方は突然、私の手を引っ張って、見知らぬ霧の向こうに拡がる世界へと私をいざなった
 
貴方は一週間だけの同級生
貴方は一週間だけど同級生
 
初めて逢った貴方はちょっと横顔が素敵な同級生
初めて逢った貴方はちょっと暗い翳を瞳の中に宿した同級生
 
私の手に貴方の手の脈音が、私の白い手に直接伝わってくる
なんてか細い貴女の青白い手なの
私の手が僅かにピンク色に染まったのを感じた
霧の中で青白く光る貴方の横顔、私の手のピンク色に染まった鼓動が貴女に伝わりそう
 
貴方は一週間だけの同級生
貴方は一週間だけど同級生
 
貴方は、私の白い手に、かすかに脈打つ脈音の跡を残して
貴方は、私を置き去りにしたまま、あの霧の世界へと消えていった
 
貴方は一週間だけの同級生
貴方は一週間だけど同級生
 
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