午前中に
歯医者さんに行ってきた。

お会計をして、
次の診察の予約をする。

「じゃあ金曜日に、
同じ時間でいいですか」

と、診察券にボールペンを
向けた先生が、

あ、と止まって
小さい声でわたしにきいた。

「24日だけど、…来られる?」

なんだか説明は
できないんだけど、

ありがとうって気分に
なってちょっと笑っちゃった。

その後に田中さんとランチに
行き、そこである小説家の
お話になり、あたしも
小説を書きたいなあと思った。

めちゃくちゃよくある恋の話。

若くて、小さくて、
まどろっこしい恋。

結ばれるとは思えなくて、
一緒にはいられないのに
少しでも近づきたくて、
相手のことが知りたくて
同時に怖くて、

どうしていいのかわからない、
けど、好き、みたいな。


でもなーそれが書けないって、
そりゃ、だって、
そうだよ、あたし、
そんな恋してないもん!!!!!

わーい!!


田中さんに、
自分を見失うくらいの恋愛
とかいうのしてみたいですー
とかそういう生っちょろい
ことをニャムニャムと口走り、
あ、ってことは、
したことないのか、と
自分で思い知った

むかしはしたこと
あったんだろうか、
でも思い出せない

田中さんは「へへえー」
と見守ってくれていた

しまいにはもうね、
気づいたらパソコムに
カタカタと
ロングバケーションの
名台詞を打ち込んでいる始末です。

だって、
最近の自分における一番の
恋愛が数ヵ月前の
ロンバケ再放送なんだもん……。

本当16時からのテレビ
見れるってすばらしい。


毎日

「まわれまーわれめりごーらん!」

とつぶやきながら
一生懸命見まてました。

おそらく前回見たときと
同じところで

「おっせええんだよ瀬名ァアァ!!!」

と叫びながら。


わたしは桃ちゃんが好きです。

周りをわー!って言わせる
こともしょっちゅう
やりつつ、その天真爛漫な
振りをした鋭さが。

察しの良さや洞察力、
というのは、
恋で泣いた数なのか。

あと森本レオ様の役は
すばらしかった。

「好きって気持ちは
誰にも止められないから、
世界で一番偉いんです!」

そーですね。
そうですよね桃ちゃん。


ガツガツに本強してきた
初対面の客に

「オレとの恋……考えてみない?」

と言われて、
本気で恋するなんて
まだよくわかんないしぃー

なんかこわいしウフフフフー

と、うやむやにして
逃げ帰り、帰りの車で
ブチ切れる、

とかが日常となって
しまっていたわたくしの
ようなモンにはピュアな恋を
語る資格などないのかも
しれないでござる。


ふぅ。


どいつもこいつも
そろいもそろってマナーの
なってない客ばっかり。

そんな日があった。

「今日の記念にブラジャー
ちょうだい、
1つくらいイイでしょ」

て。

なんでだよ。いくねえよ。

「明日出勤表に名前
なかったよね?
偶然僕も終日オフなんだ~
遊びに行こうよ
ゴハンくらいおごったって
いいんだよ~君ならね~」

とか。

『終日オフ』て、
タレント気取りなんだろうか。

そしてゴハンの
お礼に何させるつもりか。

「ごめんね忙しいの」

と断ると

「俺の誘いを断るなんて
キミは生意気だ!!!!」

と涙を流さんばかりに
逆ギレて暴れ始めたので、

うるさいなあ
黙って抜かれろよ、

と思いながら力いっぱい
押し倒してサービス
しまくることで
口をふさいだことがあった。


2010年の日本てこんなかー

なんて不必要な
規模でがっかりした。

イライラしながら黙々と
口を動かしていて、
そのときふいに頭の中に
小島よしおが現れたのだった。

「ダイジョブダイジョブ~」

よくわからないけど、
ダイジョブダイジョブの
リズムに乗ることで
なんとかなったのだ、奇跡!!

サクッと抜き、その後も
続く身勝手な要求を無視し、
だだをこねるのをサラッと
聞き流し、幼稚な言い分も
全てシカトし、笑顔で
そんじゃどーもーと別れた。

その間ずっと心の中で
だいじょぶだいじょぶぅ~
と言いながら。

よしおのことだけを
考えながら。

小島よしおの存在に
あれほど
感謝した日はなかった。

あの日、よしおこそが
わたしの王子様だった。


ちなみに最近の好きな
お笑い芸人さんは
サバンナの高橋くんです。

高橋くんのプロフィール
を色々調べてみたくなり、
ネットで

“サバンナ 高橋”

で、ヒットさせたら
その関連キーワードが

“サバンナ高橋 性格悪い”

でした。

いや、しかしほんとに彼は
トークがお上手ですよね。

毎回あのトークに
惹き付けられてしまう。

頭も良さそう。


だから、その、あの、
八木ィィイィ!!!!!!!!!!!
がんばれよぉぉぉ!!!!!



カシャカランランラン。

わたしがまだ小学生だったころ。

見るともなしについていた
テレビの中に、
髪の長い女の人が現れて、
突然後ろを向いたと
思ったら、スカートを
ひょいと持ち上げてみせた。

Tバックだからおしりが
丸見えで、そこには
何か文字が書かれていた。

たぶん、彼女の出演する
番組のタイトルかなにかだったと思う。

かわいそう!
と子どものわたしは思った。

みんなが見てるテレビで、
こんなことさせられて、
女の子なのにどんなに
恥ずかしいだろう、と。

けれど次に映った画面で、
その女の人は、
「してやったり! どうよ!?」
というように、
すごく可愛くいたずらっぽく、
笑っていた。

その場にいた他の人も、
あっけにとられていた
男性タレントも、
「びっくりしたなあ」
と言いながらみんな笑って
彼女を歓迎した。

よくわからないけれど、
「自分はなにか間違った。
ここには自分のまだ知らない
何かがある」と思った。

この人はかわいそうじゃない。

その辺を歩いている女の子が
スカートをめくられる
こととは全く違う、
彼女のおしりはその意志に
基づいて、仕事として
披露されているんだ、

それはとてもきれいで、
みんなの憧れで、
彼女の誇りでもあるんだ。

かわいそうだ、なんて、
失礼なんじゃないか。

そういうことを、
言葉ではっきりと理解
なんかしていなかったけれど、
でもたしかに考えてたどり着いた。

栗色の長い髪を揺らして、
とてもチャーミングに
微笑んだその女性は、
飯島愛という人だった。

あのとき幼いわたしが
気づいたことは、
大切なことだったと今思っている。

それは、あの笑顔のおかげだった。

愛ちゃん、
わたしのおしりはあなたみたいに
きれいじゃ全然ないけれど、
それでも
「意志に基づいて仕事として披露するもの」
に、少しだけ、なったよ。

愛ちゃんがいたから、
わたしも笑っていられる。

忘れないよ。
何も変わらないけれど
新しい年が来るよ。

ありがとう。