お笑いで売れて小銭を稼いだら
うどん屋やりたいのだけど

トッピングの種類が50種類くらいあるうどん屋。
でも値段は300円くらいからで、内装はちょっと沖縄っぽい感じの。
モーヤンカレーみたいな店の雰囲気にしたいな。
で、ぼくはオーナー兼店長をやって、
まだ売れてない芸人とかモデル、バンドマン、アイドルの卵とかをバイトで雇うんだな。
そんで店が早く終わった日にはみんなでご飯を食べたりして
悩みを聞いてあげたりして
でも
結局一日一日目の前のことをがんばるしかないんだよ、がんばろうぜって
いうんだ。
でも数年たつと、やっぱりバイトの子達の中で夢を諦める子もでてきて、そういうときはぼくに相談はせずに
いきなり報告からくるんだな。
「ぼく、もうバンドやめて就職します」って
でもそういうやつの顔はたいていすっきりしてるんだ。
ぼくは日々どうせやるならやりきれって口酸っぱくいうので
ああ、こいつはやり切ったんだなと思う。で僕はいうんだ
「これできっぱり次の世界にいけるな、お前はがんばれる奴だからだいじょうぶ」って。

で、ある日
役者志望のケンタがぼくに相談してくる。なかなか言い出さないので
はやくしろとせかすと
なんでもアイドル志望のカナのことがすきなんだと。
僕の店では恋愛はOKだが、問題はカナのアイドル事務所が恋愛禁止ばれたら首なことだ。
もちろんそれはしってるよなというと
ケンタはだまってうなづいた。
いつもはへらへらしてるケンタのまっすぐ、した目をみて
僕は覚悟を感じたので
「おれは止めない。が、男として責任をもって必ず幸せにしろ」というと
ケンタは「はい」と小さくうなづいた。
一週間後二人の様子をみてああこれはふられたな、てかふられるんかいとおもった。
まあこれも青春だなと思い
しばらくそっとしておいたが
ケンタからめずらしく今日空いてますかと声をかけてきたので店をしまったあと近くのおでん屋につれていった。
ケンタは最近覚えた焼酎のグラスを傾けながら「ふられちゃったんすよ」
と言ったんで
「わかってるよ、なんでもお見通しだ」と大人な店長を演出したら
「いや店長はわかってないです、
カナは店長のことがすきなんです」とケンタが真顔でいった。
思わぬ言葉に
僕の心は京急線の車内の様に揺れ動いた

続く。。。かも。

おやすみなさい。
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