月9ドラマが原点回帰!? 恋愛ドラマ「君が心をくれたから」
近年ではドラマ放送枠が増加し、飽和状態であるドラマだが、いちブランドとしてあるのが「月9」。その月9で2024年1月から放送される新ドラマ『君が心をくれたから』。恋愛ストーリーで原点回帰となりえるか!?
伝統ある月9とは
フジテレビの月9といえば「げつく」「げっく」と呼ばれ、一時期はドラマど真ん中の枠であると言えた。現在でいうとTBSの日曜21時・通称「日曜劇場」などの、強力枠のようなものである。
その枠では“トレンディドラマ”と言われるような友情や恋愛を描くドラマを放送し、毎クール人気ドラマを輩出した。
月9ブームの火付け役「東京ラブストーリー」
そんな月9が人気となるきっかけのドラマが『東京ラブストーリー』。1991年放送で、主演は織田裕二と鈴木保奈美の2人。こちらは王道ラブストーリーと呼ばれ、恋愛模様を描いた。
世帯視聴率は最終回で32.3%(関東)を大記録。月曜21時は恋愛路線をつなげることとなる。
その後、1990年代には、
『101回目のプロポーズ』(1991)
『ひとつ屋根の下』(1993)
『あすなろ白書』(1993)
『ロングバケーション』(1996)
『ビーチボーイズ』(1997)
『ラブジェネレーション』(1997)
…と人気ドラマが続出。
どれも恋愛模様・友情物語を描いたドラマであり、「月9ブランド」の地位を確立した。
2001年「HERO」は、まさかの全話30%以上!!
2000年からは、
『やまとなでしこ』(2000)
『HERO』(2001)
と人気ドラマを制作。『やまとなでしこ』では30%を越え、『HERO』では全話で30%を突破したのであった。
2002年からは低迷期…
2002年からはドラマ不況を受け視聴率の低下が相次ぐ。リーマンショックなどの世相も相まって、月9ブランドを貫いてきたこの枠に追い討ちをかけた。
そんな中でも人気ドラマが
ドラマ不況が続く中、
『HERO 第2シリーズ』
『ガリレオ 第2シリーズ』
『コード・ブルー 第2シリーズ』
人気ドラマを放送。これらはすべて第2シリーズであり、木村拓哉ドラマを中心に高視聴率を記録したものであった。
良質ドラマも
その後も月9ドラマとして恋愛模様を描くドラマ
いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう
ラヴソング
好きな人がいること
と良質な恋愛ドラマを連発するが、視聴率は付いて来ず、平均視聴率1桁台を記録。
時代の変化に伴い「恋愛ドラマ路線」を変更し、改革期へ
そして2018年『海月姫』の月9最低視聴率を記録したことをきっかけに恋愛ドラマ路線に終止符を打つことに。
『コンフィデンスマンJP』(2018)
改革第1弾の『コンフィデンスマンJP』では、平均世帯視聴率8.9%を記録し伸び悩んだ。そんな中でも月9の在り方を模索しつつ…
『絶対零度 第3シリーズ』(2018)
火曜21時で放送されていた『絶対零度』シリーズを月9に移すなどして、安定した視聴率2桁を記録した。
その後は、刑事ドラマ、医療ドラマ・ミステリードラマを放送していった。
そして2023年夏に原点回帰
そして2023年7月クールにて
『真夏のシンデレラ』
を、久しぶりの恋愛ドラマを制作。「王道月9」と呼ばれ、注目も集まった。
近年テレビを取り巻く環境も激変し、世帯視聴率から個人視聴率への移行や、配信サービスの台頭などもあり、ドラマの人気を図るのが難しくなってきたが、そんな中でも最高世帯視聴率6.9%を記録は正直不発とも言えるようだ。
そして「君が心をくれたから」
2023年7月『真夏のシンデレラ』から10月『ONE DAY』を挟んで再び「恋愛ドラマ」となる
『君が心をくれたから』
であるが、恋愛ドラマ路線、成功するのだろうか。
そのあらすじは主人公である永野芽郁が愛する男性・山田裕貴のために自分の「心」を差し出すファンタジーラブストーリー。
これを見る限り「原点回帰の恋愛ドラマ」ともとれる。
月9以外では大ヒット恋愛ドラマも
木曜劇場では2022年10月放送した
『silent』
の大ヒットなどが記憶に新しい。決して恋愛ドラマ自体の人気が落ちたというわけではないようである。
伝統の月9で恋愛ドラマ! 原点回帰をかける今回は成功なるか?
今回は月9の栄光と変遷についてまとめました。時代の変化に伴い王道恋愛ドラマから遠ざかってきた近年の月9。この夏の『真夏のシンデレラ』から恋愛路線へ回帰したが思うように振るわず…。今回の恋愛ドラマを謳う『君が心をくれたから』は成功なるか?
初回は1月12日成人の日です!