【大蛇に嫁いだ娘】フシアシクモ【5巻発刊中】

 

【作品情報】

冤罪で自殺した父親の影響で

村では額に傷が残るほど虐げられていたミヨ

夫に先立たれ、生きる気力を失ったのミヨの母親。

 

唯一の頼りだった祖父もなくなり・・・・

『傷モノの娘だ。ちょうどよい』と、

供物として村の為に大蛇へ嫁がされました。

 

大蛇と対面したミヨ・・・・・

怯えるミヨとは裏腹に大蛇は喜びを隠せません。

 

食事や慣れない山の厳しい自然の中での生活。

人間の愛情表現とは異なりますが

大蛇がミヨへ注ぐ愛に

ミヨの気持ちも徐々に溶けてゆき・・・・

 

純粋な異類婚姻のお話です。

 

 

 

 

 

 


【感想】

少し辛い環境の話だったので読み進めるかどうか?迷いました。

日本でもほんの一昔前まであったような話。

 

田舎の生活はコミュニティ無しでは成り立たない事も理解していますが・・・

特に村長とその娘は思い出したくない位・・・・・・酷い。

 

だからこそ大蛇とミヨがお互いに慈しむ姿が美しく引き立ちます。

 

山に80年住んでいるタヌキの八兵衛と友達になってしまうミヨが可愛らしく、

又、キスで子供ができてしまうと思っている所が・・・・

なんともほのぼのしています。

 

文明の力が行き届いてない世界だからこそ、

自然の美しさ、厳しさ、儚さや切なさが伝わる漫画です。

 

又、嫁いで間もない頃、

動物を丸のみする大蛇の食習慣に恐れおののくミヨですが、

厳しい冬になり食料がなくなった時、

初めて大蛇の行いを理解することができたようです。

 

何時もの恋愛漫画とは一味違う漫画でした!


【絵】

写実的な絵かな?と感じました。

残酷なシーンと思われるシーン、

実は自然の真理なのかもしれません。

自然の厳しさも豊かさも感じられる絵です。

 

又、男女のシーンは生きる上で欠かせない、

生活の一部で自然な事だと思える絵でした。

 

とても楽しい時間が過ごせました‼