昔あるイベントで、「歩けるようになったら何がしたいですか?」という司会者から私への質問が書かれた台本を目にしたことがある。

当時は心の中で、
“しょーもない質問だなあ”と聞いたところで歩けんでしょうがと、ゲンナリしたことを覚えている。



だけど、今思うのは
その司会者には悪意がないのは分かるし、観客に向けて“希望”的なものを引き出したかったのだろうと思う。

実際に、希望が活力となり治療やリハビリを経て歩けなかった人が歩けるようになることもある。

ただそれは元々の回復見込みが高い人と低い人とどうしても分かれてしまう。



私の場合は後者で、病気が原因で麻痺が残り車椅子での生活となった。

当時のそのしょーもーねぇ質問に
改めて今向き合ってみると、
もはや歩けるか歩けないかどうでも良い域に達している。



もちろん不便はむちゃくちゃ多い。
手が届かんことばかりだし、
ライブ行って観客が立ったらステージほぼ見えんし、
座ったままでズボン履くの時間かかるし、
車椅子対応トイレの便座上げんで用をたすやつばっかやし、
入店拒否もされるし、
行きたい場所に行けないことも多いし、
病気が再発したらと不安になることもある、

挙げたらキリがないけど、
そんな不便で感じたイラつきを超えるくらい、
今の人生は楽しいと思える。


そう思えるまでに、信じられないくらい傷ついて理性を失うほどの怒りもあったし、
私も誰かを傷つけて怒らせた。
一緒に喜怒哀楽してくれる人達がいて全部を受け止めてきたからこそ、
考え方次第でいくらでも喜びを見つけられると知った。

何も動かなかったら傷つくこともなかったろうけど、動いたことで出会えた人や経験が感情が財産となった。

私は強くも前向きでもない。
それでいい。
だからこそ、そうありたいと願う伸び代しかないわい。


あらゆる場面で救っていただいたご恩やご縁にいくら感謝しても足りない。
きっと伝えられてないことの方が多い。

言葉も思慮も足りないですが、出来るだけ想いを形にしていきたいと気持ちを改めて車椅子歴28年目がスタートです。





『生きているだけで丸儲け』って言葉があるけど、
喉元過ぎれば、、、色んな欲が生まれる。
その欲が生きる活力にもなるから、
『生きているだけでいい』の先をいっぱい見つけて死ぬまで生きていきたいと思います。


人生なんてまさかの連続で
それぞれに今後どのくらい生きられるのか知らないけれど、生きて会えるうちは共に泣き笑いしましょうや~

お付き合いくださる皆様、どうぞ今後も仲良くしてください!


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