未来とのキスした、翌日日曜日。
早速浮気と取られかねない事態を迎えた。
あの、ガソリンスタンドで知り合った
川島里奈に、僕の86を運転してもらう
約束をし、彼女が住んでる街。
東松山駅のロータリー近くに停めている。
勿論何をする事もない。
ただ、車に載せるだけだ。

「お待たせしました。」
助手席の窓をノックされた。髪の長い眼鏡を
掛けた女性がのぞきこんで来た。
川島里奈と言ったが別人にしか見えない。

とりあえず助手席に座らせ、車を出した。
びっくりしたでしょと、笑いながら
話す声は川島里奈に間違いない。
途中、STARBUCKSでコーヒーを買い
駐車場に車を停めた。
私の名刺。そう言われ渡してきた。
僕も名刺入れを慌てて出す。社畜の
悲しい性だ。
(藤野医科大学病院外科医 川島里奈)
はあ?医者なのか!藤野医科大学は
私でも知ってる愛知にある大病院だ。

里奈は、余りの激務で体調を崩した。
うつ病と診断され休職。
実家が東松山市内でスタンドや修理工場
を経営。2人兄弟で兄も医者。
両親が家は継がせずにどうしても医師に。
里奈本人は、自動車関連の仕事をしたい!
その希望は叶わず仕方なく医師に。
余程辛かったのだろう。泣き出してしまった。
ハンカチを手渡すと
「すみません。」
今の姿が本来の川島里奈なのかもしれない。
働いてるスタンドは、父親が経営する
スタンドではなく叔父さんが経営。
叔父夫妻は里奈の良き相談相手で、
今は実家ではなく、叔父夫妻のマンションに
暮らしてると話した。

彼女に運転してもらうと、どんどん山の中へ。
カーナビも消してたのでさっぱり分からない。

2時間くらい峠道を走り、小さな集落についた。
廃工場だろうか。里奈が降りて、
シャッターの操作をして中に入る。

「凄いなあ。。こんなに。」

中には、昭和のビンテージカーか20台
くらいある。外観は薄汚れた元工場だが
中は最新の整備工場並になってる。
叔父の趣味だと話、中二階にある、
部屋にとおされた。

その後は、珈琲を飲みながらお互いの
素性と言うか何故か恋愛の話まで。
ほとんど里奈の話をただ聞いていた。

「島田さん、彼女いるでしょ。
    いるよね。こんなに優しいし。」
まあ、うん。。。曖昧な返事しか出来ない。

16時近くになる。そろそろ帰ります?
里奈から切り出してくれた。
帰りは僕が運転。不慣れな山道。
当然安全運転。里奈の叔父さん宅に
ついたのは19時を廻ってた。
「あの、島田さん、また会ってね。」
すっと近寄られて、キスされた。
またねと笑顔て降りていかれてしまった。








主人公   島田宏

同僚   佐渡真理恵

ライブ配信仲間    
ミルキー   西島未来  
ミルクティー   西島久美

ガソリンスタンドの女性
川島里奈