ミルキーと会う日。
大雪警報が埼玉に出た。
テレビでは、不要不急の外出はお控え
くださいと繰り返してる。

私の車は、既にスタッドレスに履き替え、
タイヤチェーンも積んでいる。
抜かりは無い。

早々にマンションから出た。
途中、系列会社のスタンドで、
手洗い洗車を頼んだ。雪ふるのだから
洗わなくても。しかし、
置きっぱなしで、余りにも汚れてる。

最近、社割でかなり安く洗えるのを
教えて貰っていたので、初めて頼んだ。

「めちゃくちゃかっこいいですね!」
スタンドの女の子がやたら誉めてくれた。
納車されて1度、元上司の葬儀で
新潟迄行った以外ほぼ
乗ってない。ましてや誰も載せてない。
中はよごれてはないのたが、せっかく
女性を乗せるし。
丁寧にふたりかかりで僕の車を
洗ってくれた。
会計の時コーヒーでも飲んでと
千円渡すと、
「あの、迷惑じゃ無かったら連絡ください。」
領収書と一緒に、小さいカードをわたされた。
何かクレジットカード類のお知らせかと
思い、そのまま助手席に置いた。


さいたま市から、国道16号、254、140号線
を進む。途中コンビニに寄りながら
12時30分に寄居駅についた。
南口で待ち合わせ迄決まっていて、駅前にある
駐車場に車を停めた。曇がたれ込めて今にも
雪が降りそう。
今から逢うミルキーの名前、年齢、何一つ
わからない。別に何かいかがわしいことなど
するわけも無い。美人局されないかな。
段々待ち合わせ時間か近づくにつれ、
周りに怪しい人がいないか、見始めた。

1時を過ぎた頃、秩父鉄道の電車が
寄居駅ホームに入るのが見えた。
数分前、電車が少し遅れたからとDMが入った。
僕は、階段下で彼女が降りてくるのを
待つために、車から出てた。

しばらくして、階段やエレベーターから
老若男女降りてきた。その中に高校生の
姿もある。
「何処にいる?」
ミルキーからD Mが入り、駅階段下に
立ってるから声掛けてと書いた。

私は、顔出し配信してるのでミルキーには
僕がわかるはずた。
かなり寒い。吐く息が
真っ白だ。

既に、秩父鉄道に乗ってたであろう
乗客は駅前から居なくなってる。

あ、やられたか!
来てしまった自分が情けなくなり始めた。
せめて、LINE聞いてからにすれば良かったか。
すると、階段の上から制服姿の女子高生が
降りてくる。一瞬目をやったが僕は
ミルキーがOLだと思い込んでたので、
見るのをやめた。
「はじめまして。アイランドさん。(笑)」
私の身長は164cm。目の前には、150cmくらいで
ポニーテール。素足のミニスカ制服。
何より女優さんの有村架純さんに似た子が
ニコニコして立っている。
「え、ミルキー、高校生だったの?!」
余りの驚きに固まってると、寒いから
車のせて!何処にあるの?いきなり手を捕まれ
歩きはじめた。
駐車場にあるの?
私が乗ってる車は86と配信で
言っていて、調べたよと言いながら、
私の車見つけた!と言い、
グイグイ引っ張られていく。

「今日めちゃくちゃ寒い。」
綺麗な生足を撫でながら寒そうなので、
後部座席からブランケットを渡した。
「やっぱり大人。アイランドさん。
    私、好きになっちゃた。」
左腕に絡みついてきた。
まず頭に浮かんだのは、青少年育成条例。
これ警察に見られたら終わりだ。
僕から唐突だが自己紹介しはじめた。
何か言わないと、抱きつかれかねない。

僕が、勤務先やら話終わると、
ミルキーは腕から離れて、きちんと座った。

西島未来。熊谷市にある私立葛城大学付属
高等学校の3年生。部活は空手部。
特待生。家は東武東上線森林公園駅近くの
一戸建て。母親と大学生の姉3人暮らし。
父親は、5年前に殉職したと言う。
殉職?!更に聞いてみると、警視庁の元警察官
。因みに母親は埼玉県警の警察官だと。
聞けば聞くほど、私は逮捕される。。。
ノコノコやって来たことを後悔していた。
未来が今すぐ付き合うと色々問題あるから
高校卒業したら正式に付き合ってね。
僕の話す合間がないくらい喋る。
とにかく、雪酷くなれば帰れなくなる。
未来の家がある森林公園
方面に行こう。それだけ言って車を出した。

走り初めて、東武東上線森林公園駅近くに
ついた時には、かなりの積雪量に
なった。
とにかく、ミルキーを家に返したら
どうにでもなる。
自宅前についた時には、バンパー位まで
雪が積もってしまった。
「無理でしょ。走るの。家のガレージに
    入れなよ。」
それは流石に。。。そんな話をしていたら
家の中から、女性がでてきた。
間違いなく、母親だろう。
ミルキーが寒い!騒ぎながら玄関ドアの
中へ。
逮捕か。。。仕方なく、名刺を取り出して
母親らしき人物に近寄った。
「初めまして。私、ミルクティーです。
    アイランドさんですよね!」
一瞬何言ってるかわからない。
僕がぽかんとしていると、
ほら、ライブ配信のミルクティー。
私だから!笑いながら、胸を軽く触ってきた。
とにかく、ガレージに車入れたら、
家に入ってきて。自動でシャッターが開き
ミルクティーは、部屋に入って行った。

車を入れてから、しばらく考えてた。
ミルクティーはかなりな投げ銭、
アイテムをくれる。彼女とはLINEで繋がって
いて、電話でも話していた。
名前も、久美と言い、シングルマザー。
 仕事はお互い話さなかったが、まあ
職業柄僕の事は全て知ってても
おかしくないか。
それにしても、まさか母親とは。
かなり気持ちが重くなってきた。

家に入ると、ミルクティー、母親の
久美が寒かったでしょとタオルをくれて
とにかく座ってと居間に通された。
「あの、久美さん、私、、、」
名刺を差し出して、自己紹介した。

「あ、うん。。ちょっと待ってね。」
居間に置いてあったバックから名刺入れ
を取り出し渡してくれた。
埼玉県警本部地域部自動車警ら隊
警部補  西島久美。。。
あ、終わった。このまま拘留?所轄に?
悪いことしか浮かんでこない。