こんばんは
ゆみこです
このブログにお越しいただき、ありがとうございます
本日3回目の投稿です
『余生と厭世』アネ・カトリーネ・ボーマン
これは、今年の春の新刊です
(新刊の感覚が、おかしいですか)
新鮮なうちに皆さまに紹介させてもらおうと思います
主人公の名前は出てきません
ですが、71歳で、男性で、精神科医だということは冒頭で明らかになります
それも、どうやら開業医
精神科医だから、外科医のようなゴッドハンド物語ではないです
かといって、一人の患者をドラマティックに熱意で劇的に改善させる物語でもありません
あくまで一人の人間が、葛藤の中で生きていく物語です
専門家としての情熱を持っていた過去と思いがけず再会して今の自分を恥じたりする場面では、知らず知らず自分と重ねてしまい、胸が痛くなりました
世の天才たちは、このとてつもなく長いスパン(人生)での諦めの蓄積をどのように蹴散らしてきたのでしょうか
不思議だったのは、舞台設定が第二次世界大戦後まもなくのフランスだったにも関わらず、あまり戦後感がなかったことです
しかも、訳者も気にしていましたが、ヒロインとも言える患者は大戦時敵国のドイツ人
主人公は、かなり浮世離れした生活をしている人なので、戦争さえも彼の人生には大きな影響がなかったのかもしれないです
ただ、私は日本の戦後についてはある程度の認識がありますが、この話を読んで、意外と外国の戦後はわかってなかったのかもしれないな、という気付きに至りました
今後、外国の戦時中の様子がわかるものも読んでみたいと思います
それではまた。