勝てる投手とは | 風雨天の寅之助が辛口でぶった斬る~今日のタイガース~

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ーム中日、ロードヤクルト6連戦を3勝3敗。昨日は最後ヒヤヒヤ勝利だったが勝つと負けでは大違い。チームを引っ張ってきた糸井の当たりが止まった状況で一週間を3勝3敗なら良しとすべきだろう。明日からは交流戦前ホーム6連戦。4勝2敗で交流戦へ臨みたいところ。
 
ヤクルト戦、藤浪が大暴れした日のヤクルト先発は小川。今季他のタイガースではない他のカードで小川のピッチングを見ていた時にあることに気づき、この日の神宮でのピッチングでその部分を注視していた。改めてそう感じた場面が3度。
 
糸原、中谷、髙山の3人が三振した場面。3選手ともによく粘ってフルカウントまで持ち込んでいる。更に共通しているのは3選手ともに最終形の三振が見逃しだったところ。小川という投手はフルカウントまでなっても決して甘いところへはこない。
 
並みの投手なら四球を出したくない心理からどうしても中へ入って甘くなりがちだ。打者のほうもストライクを投げてくるはずというカウントなのでその外れたコースを振りにいってしまう。フルカウントからの勝負、駆け引き実には面白い。

人間なので甘いコースへ投げてしまうこともあるだろうが、小川の場合、見た限りラストボールは本当に際どいコースへ投げてくる。走者がいればよりその傾向は強い。見ていてそう感じた。それだけの制球力もあるし自信も持っているということであり、加えてメンタルも強いんだろう。

3選手が見逃しだったのはともに際どいコースでのストライク。主審のゾーンがワイドだったこともあるが、フルカウントになっても際どいストライクが投げられるのは一流投手である証拠、勝てる投手と並みの投手はここが違う。
 
藤浪とは全く違うタイプ。この日のように大暴れしてしまっては話にならないが、藤浪は球威とキレで勝負する。ストライクゾーンに投げてもそうは打たれない力のあるボール、変化球のキレ。藤浪に小川にメンタルと制球があれば軽く20勝。
 
ルーキー小野が初先発。いい球を投げることは誰もが認める。オープン戦で目立っていた高めに浮く抜け球は相変わらず多い。はっきりしたボール球が多ければそれだけ打者に余裕を持たせてしまう。外角低めへの変化球の精度、フォークに磨きをかけることが課題。小川に追い付け追い越せだ。
 
右投手先発なら糸原スタメン起用が続く。ルーキーの連続出塁がレコードにもなった。試行数が少ないので参考程度だが、糸原の出塁率が異常なほど高い。打率は2割を少し超えた程度の低打率なのに出塁のそれは3割後半で福留とほぼ同じ。打席数は髙山の半分以下ながら四球は髙山より多い。
 
糸原はしっかり選球できることが見えてくる。そして将来的に何番を打たせるのが適正なのかが見えてくる。足がそれほど速くはないのでドラフト下位だったと聞くが、足より重要なことは出塁することだ。そこを勘違いしたらいけない。

素直に数字を見る限り上本の2番は外しにくいが、近い将来2番糸原がみられるかもしれない。鳥谷は還してもらう打者だが、スイングスピードを見れば糸原は還してもらうと同時に還せる要素も持っている。楽しみな選手。北條も負けずに。
 
糸井が打てない中での3勝3敗。主軸が打てない中で投手陣の踏ん張りと脇役の活躍で負け越さなかった。昨日の勝ちは敬遠暴投が決勝点とはいえ、キャンベル出塁後伊藤の二塁打が逆転の口火となっている。このヒットが1、2番以外では唯一のヒット。中継ぎ岩崎の踏ん張りも大きかった。
 
糸井も福留もいつもいつも打てない。何打席もヒットが出ないときだってある。イチローだって同じ。糸井や福留だけで野球はできない。主軸が打てない中、いかにしてその周りがフォローして勝ちを拾っていけるか… それがチーム力だ。
 
チーム力の一番高いチームが優勝する。