The Horse Boy (ルパート・アイザックソン著)から


マイケルと私がローワンを撮影するようになって一ヶ月以上が経ち、成人の自閉症者テンプル・グランディン博士にインタビューするためコロラドに赴くこととにした。彼女はコロラド州立大学の動物学教授である。彼女が自閉症者と動物がどのように画像を通してものを考えるか、そして動物を研究することでどのように自閉症の心を理解できるようになるのかといったことを書いた本はベストセラーである。私には、そんな彼女にローワンのベッツィー(クォーターホース)との密接な関係について質問したいことがあった。


「動物は絵で考えるんです」博士は言った。「私もそうです。多くの自閉症の人がそうなんです。つまり、私たちは違った方法で考える人たち、言葉に頼るにせよ他の心理的パターンにせよ、絵で考えない人たちと繋がることができないというわけなんですね。動物は私たちと同じように視覚的に考えるので、自閉症の人々というのは動物と繋がるのが上手なんですよ。」


「ときどき自閉症の人は若い頃に、人間の相手に伝えたいことを動物、特に親しい動物という手段を通してその内容を伝えることがあります。自閉症の人々は、そうでない人々にとっての動物との接点になり、動物は特に自閉症の子供たちには自閉症と”正常な人間の世界”との接点になり得ることが多いんです。」

馬に乗ることがローワンの言語の発達を促しているらしいことの理由について、彼女は、研究ではあらゆる繰り返す規則的な揺れる動きというのは常にバランスを探す必要があり、それは脳の学習に関する感受器官のある部分を刺激することが明らかになっていると話した。そして「そういうことに合わせて、馬上にいるという事実は実にカッコイイですよね」と加えた。「どうりで子供たちが反応するわけですよ。もっと多くの子供たちがそのようにして教えられればいいですね。」


そこで私は科学者として博士はローワンをモンゴルに連れて行くことについてどう思うか聞いてみた。ローワンのシャーマンに対するリアクションを含めて話してみる。私は否定されるかノーコメントかと思っていたのだが、驚いたことに彼女はシャーマンの儀式について具体的に説明するよう求めてきた。私は記憶を辿ってブッシュマンのリズミカルな拍手と詠唱、歌といった儀式を説明した。グランディン博士は「その種の繰り返すリズムというのは、私たちが知る限り、学習のための感受器をオープンにするのに乗馬と同じ効果を持っていると言えますよ。」と頷いたのであった。


「最悪なのは、ただ何もしないこと。たとえ他のことに賛成できなくても、すべてのエキスパートはこの点で同意です。息子さんにとってそれが有効だと思うならモンゴルに連れてお行きなさい。撮影をして、それを私たちが研究している分野のアーカイブに加えてください。モンゴルでどうだったのか、報告しに戻ってきてくださいね。」と彼女は言った。