最近、よく耳にする「睡眠負債」という言葉。
日々少しずつたまった睡眠不足が、借金(負債)のように重く膨らんでしまう
ことを言いますが、いったい身体や心にどんな影響を及ぼすのでしょうか。
また、週末などに”寝だめ”することにより、この負債を返済することは
できるのでしょうか。
今回は「睡眠」について考えていこうと思います![]()
睡眠負債のメカニズム
厚生労働省が行なっている「国民健康・栄養調査」によると、
睡眠で休養が十分に取れていないと感じている人は全体の19.7%ほどいて、
平成21年からの推移で見ると増加傾向にあります。
これを、性別・年齢別に分類すると、20〜50歳代で全体の2割を
超えていることがわかっています。
そもそも睡眠とは、進化の過程で発達してきた大脳を休めるための生命現象であり、
私たち人間は他の生き物よりも大脳が発達しているため、より睡眠を必要と
しているのです。
睡眠は脳によってその休め方が異なり、
例えば、脳幹は大脳がオーバーヒートしないよう、「眠くなる」ことによって
睡眠を促しますが、その大脳は人間の意志によって睡眠を削ろうとすることが
できてしまうため、「眠いけど眠らない」状況の蓄積によって睡眠負債が生じて
しまうこととなります。
睡眠負債の影響
よく睡眠不足が続くと風邪を引きやすくなる、と言いますが、
これは免疫力が低下することによるもので、睡眠負債がもたらす第一の影響です。
続いて、肥満、がん、糖尿病や高血圧などの生活習慣病のリスクも
高まると言われます。
また、こうした身体への影響とともに、心にも悪影響が出てきます。
睡眠が不足すると交感神経を過剰に活動させてしまうため、自律神経が失調し、
集中力が低下したり、注意維持が困難になったり、意欲が落ちたり、
イライラしやすくなったりします。
全ては睡眠不足が脳の機能を低下させることによるものなので、
気をつけなければなりません。
睡眠負債を解消するには
普段、睡眠負債を抱えている人は、休みの日に遅くまで寝ていてその不足分を
補おうとしてしまいがちですが、これでは疲れは一時的に取れるかもしれませんが、
根本的な解決方法にはなっていません。
なぜなら、睡眠のリズム(寝る時間と起きる時間との関係)がずれることにより
体内時計が狂ってしまって、睡眠の”質”が悪くなり、身体に負担をかけてしまう
ことになるのです。
では、どのように”寝だめ”すれば良いのでしょうか。
できれば、一度に取り戻そうとするのではなく、毎日少しずつ寝る時間を
早めることで睡眠時間を増やしていくと良いでしょう。
体内時計は、目覚めて光を浴びることによりスタートし、光を浴びてから
15〜16時間後に再び眠気がおそってきます。
ですので、朝起きる時間は平日も週末もなるべく一定にして体内時計をきちんと
動かし、寝る時間を早めにしたり、日中の間に仮眠をとることをオススメします。

