現実と幻想のモザイク | たゆたううた

現実と幻想のモザイク

百年前からある
煉瓦の店で

一番古い
一番甘い 酒を舐めながら

一番好きな
一番甘い 物語を開く

とろとろと文字に心をとろけせていくと

次第に体までが浮き上がり、
整然と並んだ白と黒の幻想に惑わされていく


百年前の恋物語

出会い
 触れて
  裏切り
   また出会う


物語の中を奔走し
現実と幻想の狭間が曖昧になる頃
ふと意識を浮上させる

整然の真逆にある世界に
混沌という名の空気の中に

辺りを見渡すと
ほの暗い照明に人々の表情が照らし出されていた


百年前の煉瓦の店で
私はいつも惑わされる

揺らめく炎に反射した
現実として見ているものは
もしや
夢なのではないだろうかと


そして
それを望む自分もまた
どこかにいるということも