企業訪問2日目。前半は、台湾初のB型企業である成真珈琲。ComeTrue Coffeeは、収益の50%をアフリカの井戸掘削に寄付し、良質なコーヒー豆の選定と烘豆、そして高品質なコーヒー製品の提供を通じて好循環を生み出している。
特に注目したのは、従業員への福利厚生である。日本では、経済成長の鈍化に伴い、福利厚生が成長期に比べて、漸減しているといわれる。ComeTrue Coffeは、旅行や社長宅でのパーティなどを実施し、従業員を「家族」のように待遇し、夢をかなえるパートナーとして大切にしている。これは、経営学における日本型経営ないし、日本型人的資本管理論でも議論される。日本の企業が忘れつつある伝統的な福利厚生の考え方といえよう。
最後に、「『支援している、ないし支援したいという気持ちではなくて、単純においしいから、素敵な空間だからこの珈琲店を訪れたい』と思ってもらえる空間づくり」をしているという話に、支援される側と支援する側との障壁をなくし、三方をともに歩むメンバー、そして夢をかなえる同志として捉える、そんな社会課題解決型企業の本質をそこに見ることができた。
特徴的なメニューが並ぶ。こちらは抹茶のパンケーキ。非常にふわふわ、いや「ふわっふわっ」で美味しかった。
ランチも無償で提供していただいた。歓迎の深さに頭が下がるばかりだ。非常に健康的なタンパク質豊富なメニュー。
ちょっと質問してみた。
台湾政府が主導する、台中市サイエンスパークを訪れた。台湾では国策としてハイテクやAIなどに対する技術革新を推進している。単なる経済活動に対する支援にとどまらず、労働者の家族や子供に対する手厚い支援も実施されているという。特に教育分野においては、中高一貫校の設置や3つの大学が同じ地域に位置しているなど日本ではあまり考えられないような具体的かつ実効性のある政策を実施している。
また、ここでも質問をする機会を得た。「台湾の電力自給率は低く、中国に依存していると聞きました。AIやハイテク分野には大量の電力が必要です。また、政府は原子力発電所を停止しました。どのようにして電力需要に対応しますか?」(I heard that Taiwan’s energy self-sufficiency rate is low and that it depends on China. The AI and high-tech sectors require a large amount of electricity, and the government has also shut down nuclear power plants. How will Taiwan meet its growing energy demand?)
政治的な要素をはらんだ質問に回答者を困らせてしまったようだが、回答していただいた。そして、その後、先生から、以下のことを学んだ。実際に、ハイテク企業は、大量のエネルギー消費している。台中市長は「TSMCは台中市の4割の電力そして、1割の水を使っている」と話す。そして、政府はエネルギー政策により、責任を持って管理しているそうだ。
懐かしい皆さんと!
中秋節だ!
みんなと共に。台湾研修もあと数日…。