NHKが15時15分ごろに「石破首相 辞任の意向」と速報。その後、各社が一斉に報じました。約1年間の石破政権がまもなく終焉を迎えます。以下では、率直な考えを述べていきたいと思います。


 その前に、国難の時代に、少数与党でありながら、「熟議の国会」運営をなされたことに敬意を込めて、素直に「お疲れ様でした」と述べたいと思います。




 YouTubeにて石破首相の会見を視聴。特に「我々自民党が信頼を失うこととなれば、日本の政治が安易なポピュリズムに脱することになってしまうのではないかと、その危惧を私は強めております。」という言葉が印象的でした。


 おそらく、参政党や国民民主党を念頭に置いた発言でしょう。先の参議院議員選挙では、比較的新しい「新興政党」が躍進をし、比較的古い「既成政党」が敗北したと纏められます。私も同様の認識で議論してきました。


 社会構造が変化する中にあって、政治志向も大きく変容しているように思います。特に、農家や自営業者の減少は自由民主党の支持基盤ないし、地縁組織や地域活動などにも多大なる影響を及ぼしています。


 また、短絡的かつ近視眼的な議論が後を断ちません。石破首相の容姿やパートナーへの根拠のない批判もありました。どこまで、日本が、日本人が、我々の心が、貧しくなってしまったのかと悲しくなることも多くあります。



 そんな中で、連立枠組みの組み替えも示唆されています。一部では、日本維新の会との連立や国民民主党との連立も噂されます。個人的には、仮に日本維新の会と連立を組むのであれば「センスがない」と感じます。その理由は簡単で、日本維新の会の支持率が低下しているから。


 厳しく言えば、自民党と同じく「既成政党」化してしまっている、ないしそう見られている。少なくとも、旧友や同世代から、自民党や維新を支持する声は、特に政治に関心のない方々(言い換えれば、参政党や国民民主党の出現により政治に関心を持ち始めた方々)からは、聞かれません。


 尤も、個人的な反省としては、今日の政治的議論において「保守革新」のようなイデオロギー的な内容や「経団連」「連合」などの支持基盤的な内容は、あまりというか、ほぼほぼ無党派層(政治的無関心層)には響かないということ。なんだか、現実から乖離した話に聞こえてしまうのかも知れない。



 これから「ポスト石破」への動きが本格化するでしょう。解散総選挙をするのかどうかにも注目が集まっています。先ほども述べましたように、連立の枠組みがどうなるのかも注目点の一つ。次の総裁には、長期政権を担ってほしいと思います。総理大臣になると仮定して、総理大臣がコロコロと、1年単位で変わるのは、外交の相手にされないでしょう。


 加えて、自由民主党が「選挙で勝つための装置」ではなくて、地域に寄り添い、未来に誇れる仕事をする「叡智を結集した、政策立案・実現のための保守集団」であることを望みます。また、思想信条の異なる相手とも、丁寧にかつ忍耐強く「対話」を重ねて、共通点を見出し、政策を実現するリーダーを望みます。


 最後に、世界の中の日本、アジアの中の日本、日本が「さざれ石の巌となりて、苔のむすまで」末永く、豊かでありますようにと、そして「次世代に誇れる日本」でありますようにと、ここに神聖なる祈りを捧げます。