石破茂首相が自由民主党所属の当選一回衆議院議員に対して商品券を配布した件で与野党が荒れている。毎日新聞世論調査では8割に近い方が「問題だ」と認識している。


 つい最近、後輩からこの件について「これは問題なのか?裏金にあたるのか?」との質問を受けた。読者の皆様はこの件についてどのように考えていらっしゃるだろうか。


 後輩の質問に答えるなら、まずは「裏金」とは何かってことを議論しなくちゃいけない。そもそも、清和政策研究会(清和会・旧安倍派)における政治資金規正法違反に関する事案は「裏金問題」ではない。単にメディアが便宜上「裏金」という分かりやすい言葉を使っているだけである。正確に言えば「政治資金規正法違反・不記載問題」だ。


 それを踏まえると、今回の商品券配布問題は「裏金」とは言えない。もっと別の表現が必要。尤も、個人的には政治家は縛られすぎてて大胆なことができなくなっていると思う。感謝の気持ちを込めて「お疲れ様、また頑張ってね」と何かを渡すことは一般の感覚としてもある。


 では、この問題の論点は何なのか「1人10万円というのが高額すぎるのか」「そもそも商品券配布が違法なのか」「政治資金規正法違反問題の後だから避けるべきだったのか」「確定申告の時期だから余計に火に油なのか」


 個人的には違法ではないと思うし、これ以上政治家の行動を制限しちゃダメだと思う。もちろん政治家内でお金を持ってる者、持っていない者で差が出てきてしまって政治活動に影響が出るのは避けるべき。ただ、人間の本質的な「出し惜しみをせず後輩たちに奢る」にも似たリーダー像は無くしてはいけないとも思う。