日本維新の会・共同代表の前原氏がX(旧Twitter)にて高校無償化に続き「次は大学無償化に取り組む」と発言したことが話題になっている。
滋賀大学での4年間を振り返ると1年生の夏に父が他界し、以降4年生の春学期まで授業料免除と給付型奨学金をいただきながら学業に励んできた。3年生秋冬の台湾留学では陵水会(滋賀大学同窓会)から月10万円の給付をいただき様々な経験をし帰国した。
国立大学といえども毎年53.6万円の授業料がかかり家族にできる限り負担をかけたくないと思いながら勉学に励んだ。大学に通うための定期代や教科書代など費用がかかる。また下宿となれば家賃や今の時代はインターネット、スマホ…あげればキリがない。
実際に私の後輩(女性)は、部費が支払えないことから部活を辞めてしまいバイトに明け暮れた。また別の後輩(男性)は、授業以外は全てバイトに費やし自由な時間を獲得できずにいた。その彼はまさに孤独に苛まれていた。2人とも真面目だった。
一方で部活に明け暮れ、夜は飲み会に行って交際を謳歌する学生もいる。専門演習(ゼミ)の大切さを思うことなく「単なる2単位だ」として軽視している者もいる。大学を職業養成所のように扱う学生もいる。まさに「ピンキリ」だ。
他大学に目を向ければ専門学校化している大学も少なくなく、学術機関、研究機関としての存在を疑うような大学もある。また、留学生を多く囲み込み高額な授業料を請求している大学もある。単位を再試験料という「お金」で買うような大学もある。
大学と一言でいってもその内実は大きく大きく異なる。故に、一斉に大学を無償化するのはどうかと思う。ただでさえ文系国立大学に対する風当たりは強く、資金力のある私立大学に学生が流れる傾向もみられる。それより研究力の低下を憂いた方がいい。
加えて、そもそも大学進学率100%を目指しているのだとすればそれも望ましいとは思えない。社会においてより多くの選択肢が提供されていることが必要だ。もっとも就職活動にも大きな問題がある。インターンシップが平気で平日に開催される。
以上、「大学無償化」について思うことは、まずは①日本の国力を支える人財力をより強化するために基礎研究をはじめ理系に偏ることなく文理の研究力を向上させることが急務であり、②新卒一括採用の青田買い的就職活動の是正を行い、③本当に高等教育機関、研究機関で学びたい人が学べる環境を整備する必要がある。
また令和7年度から多子世帯(子供3人以上の世帯)の大学授業料が無償化されるのは既に決定している。我が家は8人きょうだいで、妹(大学新3年生)、弟(大学新1年生)が対象者となる。なお、大学院生の私は対象外だ。当事者としては非常に嬉しい限りである。きょうだいには「お金をいただいて」学んでいるのだという強い意識を持ち「感謝」をもって勉学に励んでほしい。
さて、明日からいよいよ各務原市議会にて令和7年3月定例会が開会する。新人が8人の新しい議会である。朝9時半には議会に伺って傍聴したいと思う。非常に楽しみだ。議員のみなさんには地域の御用聞のみに徹するのではなく、市議会議員であれば行政側、すなわち市長的な目線で鷹の目的な視点から市を俯瞰することにも期待したい。県議会議員であれば、県知事の視点を持って全県的な視野を持って活動していただきたい。蟻の目、鷹の目はまさに政治の母からビシバシ鍛えられた考え方の一つだ。