朝食をいただきテレビをつける。久々に国会中継を観ることにした。まぁ、今日は期末試験があるのだが。ちょっと欲ばり、ニヤニヤしながら国会中継を観る。私の一つの趣味である。


 あれは小学2年生の夏か。つけっぱなしのテレビにたまたま国会中継が映った。当時は「おじさんが寝とるわ」「なんか大切な話し合いしとるわ」「でも、喧嘩しとるな」としか思っていなかった。


 ちょっぴり厳しい小学校だったので、居眠りはもちろんできない。隣の席の生徒が、チョークで頭をグリグリされていた。でも、大人たちの会議では目を瞑って寝ている。とても不思議だった。


 その後、歴史の本を読むようになり政治家たちをより詳細に知るようになった。そして、YouTubeが登場して田中角栄の肉声を聴く。一瞬でダミ声の虜になる。毎日のように聴いていた。


 「なんだこの人は」

 「人を惹きつける力を感じる」


 その声が私を政治へと誘った。



 そうそう。今日は期末試験。


 「文化人類学特講」の試験だ。記述形式で問いがとても面白かった。思考していて楽しかった。レポートだったら良いのになぁとも思った。


 そうだ。文化人類学を学んで強烈に惹かれた、運命的な出会いを紹介したい。それが今日のブログの表題にもある「Iroquois Confederacy」だ。イロコイ同盟というそうだ。


 この同盟は15世紀後半には成立していたらしい。平和協定を締結した5部族(のちに6部族)の連合体である。選挙で選ばれた各部族の代表が「偉大な平和の木」の下で開かれる大評議会に集い、合議制で内政や外政を執り行ったという。また、部族の代表は男性が務めたが女性だけが代表を選任し、かつ罷免する権利を有していたという。


 一見すると「野蛮」というレッテルを貼られそうな「部族」であるが、中央政府なる権力構想を有する事なく、「参加」によって利益配分が、政治的決定が行われていたことは非常に興味深い。また、代表の選任と罷免に関しては母系社会というイロコイの特徴以上に重要な何かを提供してくれそうだ。


 やはり研究っていうか、学びってのは面白い。色んなところに種子があるんだなって。その種を自分の畑に植えようと、そして育てようと決意する。なんて素敵な営みなんだろう。混沌とした社会に揉まれて、その種子が見えなくなるのが怖い。そして、自らその畑を手放してはしまわないだろうか。社会人になろうとする4回生とそんな議論を交わす。正気を保って、懸命に生きてくれ。


【参考文献】(イロコイについて)

・綾部恒雄(編),桑山敬己(編)『よくわかる文化人類学[第2版]』,ミネルヴァ書房,2010年.