ザックリこの記事は
- 欧州版風シフトブーツを攻略した
- たぶん製品で売っているものより欧州版的
- 量産はできないけれど頒布するかも
ヤリスクロスを購入してから知った欧州版との違い。それがシフトブーツでした。
DIYというのは随分広範囲な分野ですが、共通しているのは工夫して作りあげ使うことだと思います。今回は欧州版のシフトブーツをよく研究して創り上げようと工夫して、とうとう完成しました。
これが我がシフトブーツ!
百聞は一見に如かず。
シフトの移動も、革のたわみ具合もバッチリです。
シフトブーツのステッチは刺繍糸で手縫いしてあります。欧州版ヤリスクロスはグレーの革に白糸、ブラックの革に黒糸だったりバリエーションがあるようですが、私はグレーにトヨタのハイブリッドロゴに近い青色で縫ってみました。
強いていうなら、グリップの口をあと数ミリ細くしてもよいでしょうが、今のままでも全く支障はありません。
何が違うのか
市場に出回る日本版ヤリスクロス向けシフトブーツは、私にいわせるとPの位置にしたときにコンビニサンドイッチ型にならず、ブーツがぐにゃぐにゃです。それでも、シフトブーツの役割が、シフトレバーの付け根にゴミが入らないという機能性については何ら問題はないと思います。
ただ、オートマティックのシフトブーツの多くは前後にのみ動くので、左右への遊びはななく、あくまで前後にスライドするので、PやらBに入っているときに、ピーンと革が張っているとスタイリッシュに見えると私は思います。実際に、欧州版ヤリスクロスのシフトブーツはそのように見えます。古くはBMW 8シリーズのシフトブーツも似ています。
このピーンを実現するのは、革のシワをどう処理する構造なのかが肝です。言葉で書くのは難しいのですが、このシフトブーツは円錐や三角錐ではなく、シフトの前後スライドの一番深いところまでいってから表面パネルに戻ってくる部分で柔軟さを出し、前後のスライドをしても形が崩れないようにできるのです。この深いところから表面までは1.8cmの深さがあり、革が往復することで、ここの部分に3.6cmの可動域が持てることになります。
作り方
① 数千円で売っているシフト部分のパネルを加工し、広い穴をつくります。傷ができてしまうので、艶あり黒のラッピングを貼りました。
② その広い穴の内側にガイドとなる環状の板を用意します。鞄の底じきとか加工しやすいです。この環状板がなくても成り立つとは思うのですが、欧州版ヤリスクロスにはこれがあるように見えます。効果としては、シワの移動を垂直方向に保てるので、前後スライドをしても革のしなりが一定に保てるという感じだと思います。
③ そこに採寸されたシフトブーツを両面テープ張り付け、最終的にパネル丸ごとシフト部分に貼り付けます。
特に③はなるべく薄い革を使うことで、しなやかなブーツになります。あまりスペースに余裕がないので、薄さが重要です。採寸自体に大きなノウハウがあるわけではなく、Pの位置でピーンと貼りたい斜面の長さを基本に、シフトブーツの上端からシフトの底、底からパネル表面、パネル表面からパネルへの接着ののりしろ、シフトパネルの前後の長さ、グリップ周囲径を確保。これだけの情報があればだれでも図面は起こせると思います。
頒布できるか
商売にしたいとは思っていませんが、欧州版風のシフトブーツに憧れを持つ方は多いと勝手に思っていて、私と美的感覚が同じなら欲しいと思うかなと感じます。
手間がかかるのは2カ所です。1つめはシフトパネルの加工。2つめはシフトブーツのステッチ。
欲しい人が個別に調達して高コストになるのは、革(合皮)とミシンでしょう。
市販製品は定価7,000円くらいのようですが、半額セールをやっているようでもあり、きっと適正価格があるんでしょうね。時間があるときにちょっとつくって、メルカリあたりで気まぐれに頒布するなんてどうかな?