2020年の春にデビューしたヤリス。そして、夏にはヤリスクロスが発売開始された。ヤリス。日本らしくない響きだが、元々日本ではヴィッツと呼ばれていた。ヤリスは欧州名であって造語。ギリシャの神々が〇〇リスという名前が多く、開放的でダイナミックな音である「ヤー」と組み合わせたのだといわれているようだ。日本で「ヤー」といったらダチョウ倶楽部だろうが。

 

ヤリスクロスは、欧州ではプジョー2008、フォルクスワーゲン T-Cross、フォードプーマと戦っている車種だ。日本市場では、実際はダイハツ製のトヨタライズ、ホンダ ヴェゼルあたりである。日本市場よりも、より欧州市場の主戦力となる車なだけに、ヤリスクロスは重要なはずだ。ヤリスクロスがトヨタ車というよりも欧州の香りを漂わせているのも頷ける。

 

グローカルなヤリスクロス

日本でしか売られていない車がある一方で、世界中で売られている車もある。といっても、同じ車でも道路事情は、日本、欧州、米国、アジア、アフリカなどなど、地域によって全く異なるから、外見は同じでもコンピューターや足回りで味付けを変えて、多様な顧客ニーズにこたえつつも、生産性を高め利益を生むのが自動車産業だと思う。当然、内装の趣味も地域によって異なるだろう。

 

グローカルとは、確か松下幸之助氏が言っていたことだと思うが、ザックリいえば、世界規模でビジネスはしつつも、地域に合わせていくということだ。単に内装の生地や色を合わせるだけでなく、現地生産という経済循環という意味も含まれるのだろう。

 

実際に、ヤリスクロスは日本では宮城と岩手の工場で作られているが、欧州ではフランスで作られている。

 

フランスといっても、ヴァランシエンヌという町は北部であり、ベルギーに近い。ベルギーのゼーブルッヘはは欧州第1の自動車輸出港だから、なるべく近いところに作ったのだろう。

 

 

内装の違い

ヤリスクロスを調べていくと、欧州バージョンはシフトノブに革のブーツが付いているというではないか。早速調べてみたら、フランスの左ハンドルとイギリスの右ハンドル仕様ともにブーツ付であった。しかし、日本はない。欧州の部品番号を調べてつけられたりして!と思ったが、よーく見てみると、シフト位置を示すサインの位置や仕組みが違う。

 

確かに、日本バージョンはチープ感ただよってませんかねぇ。。。と、羨ましがってしまう。

 

 

そんな人のために、日本仕様にもブーツをはかせる製品が売っていた。けれども、なんかちょっと違うんだよなぁ。。。ポチる気になれないのは、違いを感じてしまうからだろう。ギア位置サインを見えるようにしたままブーツをはかせるのは大変なのだろうが、さらによく観察すると、あることに気が付いた。

 

このブーツは、ピラミッド型ではなく、コンビニサンドイッチ型なのだ。サンドイッチの具が見えるような形の立体が基本となる姿なのだ。ピラミッド型では左右方向に裾野がのび、パーキングでもドライブの位置でも、常にぐにゃぐにゃしている状態なのだ。ピラミッド型はマニュアルのニュートラルがセンターになるのが前提で、オートマの場合は前後の動きが基本だから、左右に裾野は伸びなくてよいのだ。

 

こうなったらDIYするしかない。私の買ったミシンは革も縫えるのだから、作ってしまおう。