諏訪内晶子 plays サロネン in みなとみらい 2013/2/9

　　　　　　　　～研ぎ澄まされた知性とほとばしる情熱～深い悲しみと弾ける喜び～民族性と国際性～

―今月最も注目される企画に足を運んできました♪

　２月９日（土）に横浜・みなとみらいホールにてが開催されたヴァイオリニスト諏訪内晶子さんと指揮者で作曲家のエサ・ペッカ・サロネンさんによるヴァイオリン協奏曲の夕べ。

演目は、現代フィンランドの代表的な作曲家の一人であるサロネンさん（日本初演）と巨星シベリウス。

しかも、諏訪内さんのソロとあって話題性にこと欠きません。

　この日はサロネンさんによる（諏訪内さんのパフォーマンスを介した！）自作の解説と公開リハーサルも行われ、多くの音楽関係者やファンがみなとみらいに詰めかけました。

　サロネンさんによる自作の解説では、諏訪内さんは黒のドレスで登場。

サロネンさんの語りかけるような優しい解説に乗って、魅力的なパッセージを軽快に演奏してくださいました。

　サロネンさんのコンチェルトは、ヴァイオリンの様々な側面（ヴィルトゥオーソ、優しさ、開放弦の響き、暴力性など）を引き出した多面的かつ洗練された作品で、近現代の作品を多く手掛けてきたサロネンさんならではのセンスが光る響きの美しい作品でした。

　　　　　　祖国フィンランドへの郷愁と永年サロネンさんの活動の拠点であったアメリカ・ロサンゼルスの活気♪

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　民族性と都会性♪

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　深い悲しみと弾ける喜び♪

そうした様々な感情が織りなす豊かな音楽ドラマに世界を股にかけて活躍されるサロネンさんの真像を見た方も少なくなかったに違いありません。

　またこの曲は伝統的な三楽章構成から成り、まず一楽章では窓を開けてさらさらと陽の光が差してくるようなヴァイオリンの軽快なパッセージによって幕を開けます。

そして、段々とアップテンポして頂点を目指しながらそのまま一気に二楽章の瞑想的な世界へと突入。

フィナーレはサロネンさんのロサンゼルス時代の想い出が多く反映されており、７０年代のダンスミュージックを思わせる（サロネンさん自身の言葉によればcrazyな側面のある）リズミカルな音楽によって閉じられました。

　諏訪内さんの演奏は持ち前の洗練された知性とバランス感覚によってどんな技巧的な表現においても決して冷静さを失わないいわば隙のない演奏でしたが、その極めて優雅な演奏スタイルと底にほとばしる情熱に自分もすっかり魅了されてしまいました。

　その後、シベリウスの公開リハーサルも行われたようですが自分は予定の都合上断念。（諏訪内さんのシベリウスのレポート期待されていた方、お役に立てずすみません！）。

　いずれにせよ、今最も旬なお二人によるコンチェルトの夕べが歴史的名演であったことは、疑いないでしょう。

（ちなみに以下はyoutubeからの曲のアップ、この方は諏訪内さんに比べるとだいぶ「頑張って」弾いているという印象。もちろん一流ですが。やはりこの曲は諏訪内さん向きと感じます。）