ハチロク、キューニー、プリメーラ、EG6、SW20GT-S…皆NAでした。
当時は速度域的にも、それで充分でした。
その中で、R32タイプMに乗る先輩がいました。
「お前ちょっと乗ってみ。ターボがどんなモンか試してみたら」
予期せぬ一言。
「おぉ、これがスカイラインか」まず発進します。
「あれ、そんなんでも無いな」ガバッとアクセルを踏みます。
「ん?おぉ?」急に加速します。
ノーマルタービンのブーストアップ仕様でした。
「…。乗りづらっっ」
今にして思えば、あまり良いセッティングでは無かった気がします・爆。
ある回転域から急にドカンとくる加速は、とても不自然で馴染めませんでした。
「凄いっすね・苦笑」
「そうかそうか・喜。凄いべ、俺の車」
ターボは要らないや。そう心に決めた瞬間でした。
その後Q'sで走り込み、廃車にしてもまたQ'sを買いました。
最終的にハイカム・少しヘッド面研まで手を入れましたが、消耗品かのようにエンジンがブローします。
1台目のシルビアと合わせて、4~5機は壊したでしょうか。
走行会に参加した朝にエンジンがオーバーヒートし、一日サーキットで昼寝して終わった事もありました。
「CAエンジンは丈夫」と言われていますが、私は全く信じていません。
SRの方が断然、丈夫だと思います。私個人の感想ですけどね。
「もしかして、お店を変えた方がいいのか」
仲間内でSRメカチューンのシルビアがいました。速いです。音もカッコイイ。その車には負けられません。
友人に紹介して貰い、ハチロクメカチューンで有名だったお店を訪ねます。
真剣に話を聞いてくれますが、何か違う気が。
そこの社長が出てきます。
私は雑誌に載っていた、その仲間のシルビアを指して言いました。
「コレより速くしたいんです」
「何?ドコのサーキットで何秒?」
「イヤ、あの…」
「そんなの、ちょっとエンジンオーバーホールすればスグだよ」
当然そうなりますよね・笑。
最終的にどうしたいのか、明確な希望が何ら無く「NAで速くしたい」しか無い訳ですから。
なんだか馴染めない感じがして、丁重に御礼を言い、そのお店を後にしました。
今度は家から近い、雑誌の広告で気になっていたお店に電話してみます。
紹介も無し、全くの一見でしたが、まずオイル交換で行ってみることを思いつきました。
「あのぉ、デフオイル交換したいんですが」
「デフは機械式ですか」
「ハイ。クスコです」
「オイルはトラストとセンチネルがありますよ。センチネルなまらイイっすよ(^O^)」
いきなりフレンドリーです。
とりあえずトラストでお願いしました。
偶然にもフロントの人が、私のチームの先輩を知っていました。車に貼っているステッカーを見て話し掛けてくれました。
待っている間に本題を切り出します。
「NAで速くしたい。ブローばかりで嫌気がさしている」
「…NAでイジるのは、費用対効果を考えるとオススメできません。エラく金掛かりますよ」
「ターボの加速感がどうも嫌いで」
「う~ん…困」
頭には、あのR32のフィーリングがありました。私の嫌いなセッティングのブーストアップです・笑。
ここでも社長が登場です。
「お客さん、NAでイジると掛かる金の桁が違うよ」
「オススメは15ターボ換装。ちょうどエンジンあるし、載るよ」
「ターボは嫌と言うけど、ウチのデモ車乗ってみたら」
社長ドライブで、タービン交換仕様のS14に乗ります。
「お?うおぉ~?!何コレ、キモチイイ~」
下からきちんとブーストが掛かり、上まで滑らかに続きます。それでいて凄い加速G。身体がシートに押さえつけられます。
これが本当のターボのフィーリングです。これは凄い。
「15ターボ換装で決めます!」
「ありがとうございます。早速見積作りますね。インタークーラーにオイルクーラー、ブーストコントローラーは…」
「あ、あの…。とりあえずターボになればイイんですけど」
「イヤすぐ飽きるよ。最初にブーストアップまでやっておいた方がイイですよ、絶対」
もう、成すがままです・笑。気が付いたらローン用紙に判を押していました。
今思えば、上手くしてやられた気もします・爆。
人生には何箇所か重要なターニングポイントがあります。
進学、就職、結婚…。
走りの世界に入った時も、人生の中の重要なターニングポイントであったと言えます。そしてこの日もまた、その後の車との付き合い方を決定づけるようなターニングポイントでした。
ターボとの出会い、このお店との出会いをキッカケに、シルビアの改造は加速度的に進行していきました。
もう離れられません。
まさに、「スピードは麻薬」です。


