先日、いつも来てくれる方と二人でお話しする機会があった。
ヒデさんが病気になってお店が出来なくなった時、代わりに何度も私が営業することになり、そのたびに大丈夫ですよ、と言ってくれた方だ。
「今日も、私が営業しますがよろしいでしょうか?」
「時間掛かってもいいから、大丈夫ですよ。できるものからお願いします」
私はこの方に、何度も何度も成長させてもらった。
何度やってもうまく巻けない玉子焼きに、明るく笑いながら「この前より上手じゃないですか」「お刺身、きれいに盛れてますね」「お茶漬けのお出汁、ちょっと味が濃いかな」
好きなようにやらせてもらって、ダメなときはきちんと教えてくれて、そしてまた何度も足を運んでくれる。
二人になったとき、ヒデさんが席を外したときにそっと「いつも、具合が悪くて出来なかったけれど病院に行き薬も飲んで、治りました。もう大丈夫です。色々御迷惑をおかけしました」と言ったらうんうんと頷き
「元気になられて、本当によかったですね」と言ってくれて、その場でわんわん泣いてしまいそうだった。
お客様はお友達ではない。でも、こうやって友達という枠でさえ越えてしまうものなのだと、人とのつながりは、動くことでもがく事で、こうやって強くなっていくのだなと強く感じた。
この方のほかに、ご宴会を私が代わりにやらせていただいた方も沢山いる。文句を言われても仕方がない、でも全力でやろうと思っていた。文句や苦情がきたことはない。時間もかかったし、見栄えもよくなかったはずなのに、待ってくれた。「今日は一人で頑張ったね」と声を頂いたり、また予約を入れてくれたり・・・・
色々、御心配後迷惑おかけしました。きっともう私が一人で営業することはないでしょう。今入っている御予約も、この先にはいるご宴会も必ず二人でできると思います。本当にありがとうございました。
これからも、どうぞよろしくお願いいたします。
大切なお客様へ
笹のしずく