お店まで歩く途中に井戸がある小さな公園があって、いつもここで一休みする。
井戸からは常に透明で柔らかな冷たい井戸水が豊富に流れていて、せせらぎがなんとも涼しげ。
大きなポリタンクにいっぱい井戸水を汲みに来たり、また小さな子供がシーソーをしたりしているのを、ぼんやりとみていたら、坂の上からシャドーボクシングをしている男の人が降りてきた。
すばやく拳を出して、そうかと思うとくるっと回ってシュ、シュシュ!って、すごくカッコイイ。見とれていると、若きボクサーと目が合った。
目が合うと、いつものくせでにっこり笑ってしまう。(職業病ですかね)彼は軽く会釈をして、じゃばじゃばと顔を洗った。
「あー、今日も暑いですね」そういうと、彼はTシャツのすそで顔をぬぐった。
「男の人を、美しいと思ったのは久しぶりかも。」私がそういうと彼はびっくりして「そうですか」と笑った。
あんなふうに美しいフォームをもっていたら気持ちがいいだろうな。いいなあ。
鍛えられた身体を持つだけで、背筋が伸びて自信がみなぎる。前向きになる。
彼と天気や先日の地震の話をちらっとして、実はダイエットして歩いているんです。と言ったら彼はドンピシャで私の体重と体脂肪を当てた。
「げ、なんで分るの」
「そりゃ、見てればなんとなくですけど」
体重はともかく、体脂肪まで見えたとは。
彼は私の理想の体脂肪をつげ、じゃあ頑張って、と言い残し去っていった。
いつも頑張ってトレーニングしている人に頑張ってといわれた私って一体。
この次また会えたらもうちょっと小さくなってたらいいな・・・